我日本国がギリシャの二の舞を避けるためにもやるべき事である

 政府は国家公務員の給与引き下げに合わせて地方公務員の給与を引き下げるよう地方自治体に要請していますが、自治体の26%がこれに応じていないことが明らかとなりました。地方公務員の給与は国家公務員に合わせて引き下げなければならないのでしょうか?
 ルール上では、地方自治体は自治体という名の通り、自身の予算を自身で決めることができますから、政府の指示に従う必要はありません。したがって職員の給与を引き下げるかどうかは、最終的には議会による条例制定を通じて自治体の住民が決めることになります。政府は正式に指示を出すことができませんから、あくまで自治体に「要請」しているわけです。
 
大半の自治体は国の補助で成り立っている
 
 ただ国側にも自治体に要請する根拠がまったくないわけではありません。地方自治体には地方交付税交付金をはじめとする国からの補助が出ています。地方交付税の金額は16兆円にも達しており、国の財政を圧迫しています。このほか各種の補助金などを総合すると、地方自治体が自主的に財源を確保できる割合は、自治体によっても異なりますが平均3割程度しかないといわれています。俗に「3割自治」と呼ばれるのはこのことを指しています。
 東京都のようにすべてを自主財源で賄い交付税の交付を受けていない自治体もありますし、原発が立地する自治体も多額の固定資産税が入るため交付税の交付を受けていないところが多くなっています。しかしほとんどの自治体は国からの補助で成り立っているのが現実であり、政府は給与削減要請を受け入れるべきという立場を崩していません。
 もっとも地方自治体の財源を増やす方法はいくらでもあります。現在国税になっている税金を地方財源に転換するというやり方です。地方分権が叫ばれた小泉政権時代には、財源の地方移譲が真剣に検討されました。
 
地方への財源移譲が進まない理由
 
 しかしこれに対しては、予算や仕事がなくなることを危惧する国家公務員が猛反発しています。一部の自治体でも、自主財源になると予算が減ってしまい職員給与の引き下げや公共事業の縮小を余儀なくされることを危惧する声が上がっています。結局のところ、地方自治体への国からの補助をなくしたいと本気で考えている人はほとんどいないというのが現状なのです。
 国からのおんぶに抱っこという状態は継続しながら、給料の引き下げについて揉めているというのは非常に無意味なことですが、これが日本の地方自治の現実なのです。本来であれば、地方公務員の給与は、財源を地方に移譲した上で、その地域の状況に合った給与水準を主権者である住民自身が決定するというのが正しい姿といえるでしょう。(大和田 崇/The Capital Tribune Japan編集長)
 

これ『「地方公務員の給与引き下げ」国の要請を拒否していいの?/自治体の26%が応じず』と題したthe PAGEの10月23日 16:20の解説記事である。
 

 この記事は、中央集権の歪を自治体と言うフィルターを通して説明出来る記事と言えるのではないか。
 一昨日の拙ブログでも紹介した「この特定秘密保護法案の承知に際し官僚・役人は政治に何を求めたかだ 」と題した、官僚・役人の抵抗と同じで、既得権益を離したくない、つまり自分らの縄張りを荒らす輩には必死で抵抗するだろうから、維新やみんなの党の思惑通りにはそう簡単にはいかないだろうが、ギリシャの二の舞を避けるためにも権利譲与である、地方分権には真剣に向き合う時が来たと言えよう。