党首選に見る菅首相の資質

 結論から申せば、菅首相は、一国の宰相、一国会議員、あるいは男として一貫性と決断力に乏しい事をはっきりと世に示してしまった。
 立候補届出前日、鳩山前首相の仲介要綱(トロイカ体制+1)を自陣に持ち帰った菅首相、自身は総理に留まれるなら是もと思っていたが、自分では決められず前原らに相談反対され翻意してしまった。恐らく菅首相はその事をそこまで重大には思っていなかったと思われる。そこが空菅といわれる所以であるが、そもそも持ち帰る事自体一貫性に欠けている事が解らなかったのだろうか。それを呑む事が「脱小沢」だと解らなかったのだろうか。菅支持派のそれこそ1丁目1番地だった筈である。思うに前原は菅支持派の中で一番今回の党首選で頼りない大将をいただいたと思っているのではないか。秘かに自分の方がと誰よりも思っているかも知れない。勿論小沢派も、どちらかと言えば前原の方がやりにくかったのではと思う。
 私の見るところ、菅支持派は、本当に菅首相しか適任者は居ないというような、絶対的支持者ではなく、単純に小沢嫌いで寄せ集められたに過ぎない。消極的支持者である。戦いは最終的には数である。戦いは戦国の世より、お館様を如何に命を賭けて死に物狂いで守り切り勝利するかの戦いである。その気持ち無くしての勝利は無い。問題は菅首相派にその覚悟ありやの戦いと思われる。
 私はどうも、末節の戦国武将小早川秀秋を見ているように感じている。