8億借り入れ問題のみんなの党渡辺喜美代表、親父渡辺ミッチーと比べその軽さの驚き

 みんなの党渡辺喜美代表が化粧品通販大手のディーエイチシー(DHC)の吉田嘉明会長から計8億円を借りていた問題を巡り、与野党からは28日、説明責任を問う声が相次いだ。衆院政治倫理審査会で渡辺氏自らが説明すべきだとの意見も広がっている。擁護論はみんな党内を除いて皆無に等しく、渡辺氏は孤立を深めつつある。
 渡辺氏は27日、国会内で記者団に約50分にわたり一連の経緯を説明。吉田会長から選挙前に計8億円を借りた事実を認めたが、28日は体調不良を理由に衆院本会議を欠席した。定例の記者会見は水野賢一政調会長が代行。水野氏は「法的問題が出ているわけではない。進退という話ではない」として代表辞任を否定した。
 ただ、与野党からは批判が続出。自民党石破茂幹事長は記者会見で「得心がいかない」と指摘。公明党井上義久幹事長も「選挙資金なり政治資金とみるのが自然だ」と述べ、政倫審出席を検討するよう促した。渡辺氏の発言について「『熊手を買った』では疑惑を払拭できない」とも語った。同党内は政権への接近を進める渡辺氏にかねて懐疑的な見方が多い。
 民主党松原仁国会対策委員長は「多くの国民はあの発言で『分かった』とはならない」と強調。日本維新の会小沢鋭仁国対委員長は「自ら申し出て、政倫審で説明責任を果たすように求める」と述べた。野党内の再編に否定的だった渡辺氏の影響力が低下すれば、再編機運が高まるとの見方も出ている。
 政倫審での審査となった場合、最大の論点は8億円の使途だ。渡辺氏は選挙資金に充てていないと主張するが、事実と異なれば公職選挙法違反になる可能性がある。
8億円のうち2012年に借りた5億円には借用書がなく「譲渡ではないか」(民主党幹部)との疑いもくすぶる。返済した約2億5千万円の原資も追及の対象になりそうだ。

これ『みんな・渡辺代表、借り入れ問題で孤立深める与野党「政倫審で説明を」』と題した日経新聞3月28日22:11の報道記事である。

 政治家を含めた全ての人間において、個人的に8億円を借りるとなれば何を意味すれば良いのか。普通はその様な多額の金、公的な金融機関では貸さないのが通例だ。商売をやるにしても、金融機関はかなりの保全を取る。もしくは出資とするだろう。たかが個人には余程の資産家でなければ貸さないだろうし、またそのような資産家だったら借りる必要も無い。この渡辺さんの場合は、政治家である。ましてや政党のオーナーである。政治には使っていない等とは誰も信じないし、説得力も無い。だからと言って、政治に使ったと正直に言ってしまえば、政治資金規正法に違反する。だから個人的に借りたとしたのだろうが、誰も信じては居ない。それ程の大金だからである。出す方も出す方だが、借りる方も借りる方である。貸す方はリスクを考えるとすれば、かなりの意味のある金額であり、借りた方にしてみれば、とてもじゃ無いがチョッとやそっとで返せる金額でも無い。とすれば、互いにこれは貸借を通り越し、無かった事との認識だったと解釈される。貸し手にとればこれほどの投資は無いし、借り手にとってはチャラ出来る最大の譲歩は何かと言う事にもなる訳だ。渡辺さんを初めとする厚生労働族にとればこれほどの強い資金援助者は居ない。
 このような図式は55年体制自民党の最も得意としてきたジャンルでもあり、本当に久し振りな構図でもあるし、逆説すれば、行革を叫びその自民を出て、その不満分子を吸収して来た渡辺さんがそのちょう報人だったとは皮肉なものである。
 いづれにしても、これで渡辺さんも終わってしまった。いくら誘われても、義士を貫き通した父親の渡辺ミッチーと比べれば、その人間の軽さが解かる、渡辺喜美さんではある。