■「米の失望」首相の誤算 靖国参拝、国際社会で孤立感
安倍晋三首相の突然の靖国神社参拝から一夜明け、批判や懸念の声が世界に広がった。「失望」を表明した米国、「遺憾の念」を示したロシア、「慎重な外交」を求めた欧州連合(EU)――。日本への逆風は中国、韓国にとどまらず、国際社会で孤立感が深まっている。
「日本包囲網」が瞬く間に形成された背景には、首相が靖国参拝をごく限られた側近だけと決めたことがある。「参拝を歓迎する人たちの旭日(きょくじつ)旗に囲まれるわけにはいかない」(政権幹部)と事前の情報漏れを防ぐことを優先させたため、外交当局を交えて関係国の反応を十分吟味しなかった。首相秘書官の一人は26日の参拝直前、「官邸で首相がモーニングを着ていたので驚いた」と明かした。
安倍晋三首相の突然の靖国神社参拝から一夜明け、批判や懸念の声が世界に広がった。「失望」を表明した米国、「遺憾の念」を示したロシア、「慎重な外交」を求めた欧州連合(EU)――。日本への逆風は中国、韓国にとどまらず、国際社会で孤立感が深まっている。
「日本包囲網」が瞬く間に形成された背景には、首相が靖国参拝をごく限られた側近だけと決めたことがある。「参拝を歓迎する人たちの旭日(きょくじつ)旗に囲まれるわけにはいかない」(政権幹部)と事前の情報漏れを防ぐことを優先させたため、外交当局を交えて関係国の反応を十分吟味しなかった。首相秘書官の一人は26日の参拝直前、「官邸で首相がモーニングを着ていたので驚いた」と明かした。
■日米防衛相の電話協議中止
安倍政権が外交の柱に掲げた日米同盟の強化は参拝を境に暗雲が立ちこめた。27日、沖縄県の米軍普天間飛行場の移設先である名護市辺野古埋め立ての知事承認に絡み、小野寺五典防衛相と米国のヘーゲル国防長官が電話協議をする方向で調整が進んでいたが、都合が合わないとして急きょ中止になった。
関係者は「靖国参拝が影響したかわからない」と歯切れが悪い。
首相の参拝を機に対応に追われる外務、防衛両省内に無力感が広がっている。
安倍政権が外交の柱に掲げた日米同盟の強化は参拝を境に暗雲が立ちこめた。27日、沖縄県の米軍普天間飛行場の移設先である名護市辺野古埋め立ての知事承認に絡み、小野寺五典防衛相と米国のヘーゲル国防長官が電話協議をする方向で調整が進んでいたが、都合が合わないとして急きょ中止になった。
関係者は「靖国参拝が影響したかわからない」と歯切れが悪い。
首相の参拝を機に対応に追われる外務、防衛両省内に無力感が広がっている。