介護制度と医療費と生活保護制度との関連性

 生活保護費の約半分を占める医療扶助で、過剰な薬の処方を防ぐため、大阪府東大阪市が、各受給者が薬を受け取る薬局を1カ所に限定する「かかりつけ薬局」制度の義務化を、早ければ8月にも始める方向で調整していることが11日、分かった。適正な処方による受給者の健康管理が主な目的だが、高齢化などに伴って増大する医療扶助費の抑制につながる効果も期待できそうだ。
 厚生労働省は、受給者のかかりつけ薬局制度を義務化している自治体について「統計を取っていないので分からない」としているが、東大阪市によると「把握する限り前例のない取り組み」だという。
 全国の生活保護受給者数は、今年2月時点で215万5218人となり、10カ月連続で過去最多を更新。大阪府内の自治体で保護率が3番目に高い東大阪市(4・2%)では、生活保護費が今年度当初予算ベースで10年前実績の約1・7倍の約385億円に達し、うち医療扶助費が43・4%を占める。
 生活保護受給者の医療費は原則公費で全額負担され、窓口負担がないため、過剰な診療や薬の投与が起きやすいとの指摘があり、過去には転売目的で不正に薬が処方される事例があった。また、複数の医療機関や診療科を受診することによる向精神薬の重複処方なども懸念されている。
 一方、受給者は受診した医療機関ごとに近くの薬局で薬を受け取るなど、1人で複数の薬局を利用しているケースが少なくない。個々の受給者が、どのような薬を受けているかを自治体で把握するのは難しいという。
 東大阪市では、各受給者のかかりつけ薬局を1カ所に限定することでそれぞれの薬の処方を把握し、チェックできると判断。安価な後発医薬品の利用促進にもつながるとみている。
 具体的には、各受給者に自宅近くなど事情に応じてかかりつけ薬局を登録してもらい、市側が渡す「調剤券」に登録薬局を明示し、登録薬局でのみ薬を受け取れる方法などを想定。運用面の技術的な課題について調整を進めている。
 かかりつけ薬局が義務化されれば、受給者が薬局を選ぶ自由が阻害される側面もあるが、市は「薬の適正な処方は、医療扶助の抑制だけでなく、受給者の健康を守ることにつながる。受給者の事情に配慮しながら運用したい」としている。
 

これ「東大阪市「かかりつけ薬局」義務化 生活保護費抑制へ」と題した産経新聞の報道である。
 

 思うに、私も脳出血と言う病気を経験してるから言えるのだが、とにかく患者と薬に対する医者のモラルが低下してるのではないかと言う事と、薬そのものの価格が非常に高いと思われる。我々患者は、保険適用で3割負担でありながらも、その負担でたった1錠の薬が200円~300円もする場合がある。と言う事は、保険適用で無い場合のいわゆる定価は1錠の薬が1,000円すると言う事になる。そして医者は良心的な医者も居るには居るが、大概は、経営を考えて必要以上の薬を処方するのが常である。その場合その患者の夫々の診療科目の主治医と相談の上での処方にすれば、かなり薬の処方が少なくなるのではと考える。総合的にその様な処方を義務付けなければ、医療費は青天井になろう。
 ここで主題に戻りたいが、現在がん患者より多いといわれる、脳卒中患者や認知症患者それに最近多い精神病患者の数がかなり多いと聞く。中でも脳卒中患者は後遺症がつきものであり、介護度が設定されているが、当然にリハビリ等でその度合いを緩和させる仕組みを持つが、この仕組みが曲者である。この認定にはある程度のフォーマットがあり、リハビリ等で良くなった者ほど介護度が薄くなる傾向だ。これは当り前であるが意識して怠けた者ほど介護度が濃くなる矛盾をはらむ。つまり簡単に言うと、例えば脳卒中患者でほぼ同じ症状でAと言う人とBと言う人が同時期入院して、ある事が同じくらい出来ていたのが、Aと言う人は寝る間も惜しみリハビリに励み、何とか人並みにそれが出来るようになったが、Bと言う人は何もしないで寝てばかり居たとした場合に、法で決められている介護の度合いが、Aと言う人は出来るようになったと認められ、介護は要らないと判断され、対してBと言う人は出来無いと判断され介護必要と判断され、以後の治療法や介護に天と地ほどの差がつくのである。例えそれが自分の事であっても大変な矛盾である。それが現実なのである。それに対し主治医や看護師、それに介護士は何も言わず現実的治療をするのが現状だ。もしリハビリ等で強制的にでもいくらか、介護度を薄くする努力をすればかなりの医療費浮く事請け合いである。丁度これは、働けるのに働かないで、怠けて生活保護を貰う状況にソックリである。しかし、自治体である行政側は、要するに自分の腹は痛まないし、自分が悪く言われるより、触らぬ神に何とかで、要は自分の金でなく、他人の金、要するに税金だからである。全国民が、それらを自分の事のように考えて行動さえすれば、自ずから、医療費に限らず、全てが良い方向に向かう筈と私は思っている。
 これらを総合的に判断すれば、全てが政治が悪いからである。率先して、国会議員から範を示せば国民だって解かると言うものではないのかなと私は思っている。国会議員はも一度再考すべしと申し上げたい。