企業を甘く見たアベノミクスは失敗だった

   総務省が2013年3月29日に発表した2月の全国の消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、生鮮食品を除く総合が前年同月に比べ0.3%下落し99.2だった。4か月連続のマイナス。
   項目別にみると、テレビを含む教養娯楽は2.8%下落。ルームエアコンを含む家具・家事用品も3.8%下落した。一方、エネルギーは円安や原油高の影響で、灯油やガソリン、電気代などが5.0%上昇した。
   また、価格変動が大きい生鮮食品を含む総合は0.7%下落の99.2で、9か月連続のマイナスだった。ホウレンソウやネギ、キャベツなどが気温の上昇で出荷量が増え、値下がりした。
 1月の全国の消費者物価指数(2010年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数で99・1となり、前年同月を0・2%下回った。下落は3カ月連続。下落幅は前月と変わらなかった。モノの価格が下がり続けるデフレは、緩やかに続いている。
 総務省が1日、発表した。食料品の価格が下がり気味だったほか、ルームエアコンや電気冷蔵庫が下落したことが大きかったという。一方、原油高や円安などから、光熱費やガソリン代などは上がっている。
 
 
朝日新聞の報道だ。
 

 安倍総理の壮大な計画「アベノミクス」は失敗だったのか。
 
 事実物価は上がるどころか逆に下がっている。酷いのはと言っていいのか、逆に消費者は喜んでいるが、カソリンの値下がりである。円安になり上がる筈の原油が下がっているからではあるが、総じて物価は下がり気味である。油は商社の思惑で価格が決まる状況を差し引いても異常な現象である。全ての加工製品に油が関係してる事を考えても、これは政府の思惑通りに行かない事を示している。もう1つには安倍さんが勘違いをした事がある。それは上場企業を信用した事にある。これら企業はしたたかである。何故なら2年前の3.11の大震災の電気事情を逆手に取り、電気を大事にと称し、小売は冬には売り場の温度を下げ、夏には売り場の温度を程ほど下げ、消費者に文句を言わせずに、光熱費を浮かせた事である。それによって小売のイオン等は年間で何10億円も浮かせたらしい。製造も極力電気を有効にと称し、効率よくそれを使い、電力会社を値段でコントロールした。その甲斐あって平常時よりも財務が好転した。尚且つ内部留保を積み増しし、キャッシュを好転させたのである。そこへの「アベノミクス」である。国や国民に良い顔すべく、従来より出来た筈の、社員給料を、担保をとるが如く、広告宣伝費の僅か消費税率に値する金額を、それに振り向けようとしたのである。結果的には、いともた易く恩を売りながら、ローソンやセブンイレブン等は、費用対効果よろしく、宣伝費以上の効果を上げたのである。
 「アベノミクス」に関係した経済学者は確かに経済原理には詳しいかもしれないが、悲しいかな生きた現実の経済や、経理・簿記論には疎く、財務諸表には素人以下と思える。何故ならバブル以降、リスク管理に長けた上場企業が、内部留保に血走っている現実を見逃し、た易くベースアップの譲歩が無い事に気付かない事であった。
 安倍総理はこの「アベノミクス」を成功裏に収めれば、それこそ偉大な日本国宰相として史上に永遠に名を残し、失敗すれば、それこそ日本国の破綻の元凶者として史上から揶揄される事請け合いである。
 何故に私はここまで安倍総理のブレーンを批判するのかと言えば、簡単に言えば、例えば、経理をごまかし、脱税したとした場合に、そのごまかした金を使ってしまい、発覚後の税納入に金融機関から借りなければ払えないと言う、経理原則しか知らずに、そのごまかした金をコッソリ、床下みたいにところに隠すような、つまりはタンス預金みたいにして、そこから税を払えば裏から表に出した他に、隠した金から払った金を差し引いた残金がまるまる儲かるやり方をし無い連中と思えたからである。所謂机上の原理しか知らない人間の言う事を聞いた安倍さんにある意味同情したい。
 結論を言わせて頂けば、物価を上げようとした「アベノミクス」は企業のしたたかさに破れ、結果例え給料上がっても、物価上昇分を吸収しきれず、内部留保の僅かコンマ以下の出費で抑えられ、私は失敗と見た。一番の過ちは企業を甘く見た事にある。
 これが私の結論である。