橋下大阪市長と民主党の前原誠司政調会長との対談で見た資質の違い

 民主党前原誠司政調会長橋下徹大阪市長が消費税増税の是非や公務員制度改革について議論した。
 
 【消費税増税
 
 前原氏「われわれの最終ゴールは最低保障年金の創設と、国民年金共済年金・厚生年金の一体化だ。その財源確保を含めて考えると、10%で収まるとは到底思えない。ただ、経済成長が担保されないと、いくら税率を上げても、また経済がおかしくなる」
 
 橋下氏「税収が足りないことは間違いない。僕は市民がおかしいと思っていることを6カ月以内で決着する。その上で市民に負担を求めれば、理解を得られる。国が僕に権限を与えてくれたら、大阪市内だけで年金一元化をやり、賦(ふ)課(か)制度から積み立て方式に変えられる」
 
 【八ツ場(やんば)ダム建設再開】
 
 前原氏「結果的に『民主党は反対だが政府に委ねる』というのは、言い訳でしかない。これは私の敗北だ。もともと産経新聞が『ナントカ(言うだけ)番長』と私のことを書いたのは、八ツ場ダムのことではなかった。すべて結びつけているので僕は『けしからん』と言っている。今回の決定は、われわれは議院内閣制でリーダーを選んでいるので、政府に委ねる結論にならざるをえなかった」
 
 橋下氏「行政の連続性を断ち切り、『不連続』に挑戦するのが政治だ。国の議院内閣制では政治力を発揮できない。僕は4年間、リーダーであることを保証されており、人事権も予算権も持っている」
 
 前原氏「われわれは政権交代の際に『コンクリートから人へ』を打ち出した。こだわりを持って改革に取り組み続けない限り、役人が骨抜きにする。私は国土交通相を1年間やったが、『変えよう』という気に国交省河川局(現水管理・国土保全局)を変えられなかったのは、私も含め政治の責任だ」
 
 
--公務員をクビにできるか
 
 橋下氏「今はできない。ただ、通常の事務をやる公務員や教員に対し、絶対的な身分保障を前提にしないといけない理由は分からない。安定した生活を求めるなら民間、不安定で厳しいが尊敬されるなら公務員、という価値観の大転換をしないといけない」
 
 前原氏「合理的な判断の中で民間企業のリストラに当たることもできなくはない。平成24年度予算案をみても、税収見込みより国債発行が多い異常な組み方で、長くは続かない。公務員を合理化する分限免職の規定に十二分に当たる」
 
 【来年の展望】
 
 前原氏「ガードの年だと思う。欧州連合(EU)に端を発した金融不安が信用収縮になる可能性があり、しっかりとした危機管理が日本のチャンスになる」
 
 橋下氏「国民は変化を求めている。政治家は有権者に反対されても『不連続』に挑戦するしかない」
 
 --橋下氏は衆院解散・総選挙や政界再編の動きに巻き込まれるのではないか
 
 橋下氏「僕、市役所の所長ですよ。とんでもないです!」
 
この対談の報道は産経である。
 

 私はこの対談を見てて、正直消化不良を起こしかけた。もちろん前原政調会長にである。見てて腹が立つと同時に、この程度かと思うに至った。この人にはポリシーと言うものがないのだろうか。特にこの橋下さんとの相対に於いては、ことごとく、後ろ向きであると言うか、女々しい限りである。それに比し、橋下さんには限りない可能性が感じられ好感以上の、政治家としての資質が感じられた。僅か4年未満の大阪府知事としての地方行政に携わっただけとは思えない、大胆さと、政治家特有の胆力を感じた。少なくとも政治家が自信を持って、期日を上げた政策を断定等は出来るものではないが、それを意図も簡単に断定できる自信は、並大抵の事では無い。この二人立場が違がっていたらと私は思った。
 
 とてもじゃないが、前原誠司政調会長は政権党としての政策の要であるにも関わらず、これでは政治家として、幻滅以上の何物でも無いし荷が重過ぎる。