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11月26日付の日経新聞によると、三大都市圏の単身高齢者が00年からの15年間で2.1倍の289万人となり、全世帯の1割を超えた。増加数ランキング第2位の大阪市は20万人強でその比率は約15%にも達する。
単身高齢者は身近に助けてくれる人がいないため要介護認定率は高くなる。大阪市でも36%(17年)で、家族などと同居する高齢者の認定率の2倍強だそうだ。しかも単身高齢者は低年金の人が多く、生活保護受給者になりやすい。つまり、単身高齢者増大は自治体の社会保障費急増への警鐘なのだ。
実は、市の財政支出に占める扶助費は05年の22%から18年には32%へと増えている。これに人件費や借金返済を合わせれば市財政の3分の2で、教育や防災など、他分野への支出がすでに難しくなっている。
万博のために、これから会場建設費1250億円に加え、交通インフラ整備や発展途上国のパビリオン出展経費援助などで1000億円近いお金が必要だ。
大阪市の一般会計予算は1兆8000億円ほど。万博経費は国、行政、財界で3等分することになっているものの、財政規模から考えれば、大阪市の負担は大きい。苦しい台所事情は大阪府も同じで、府と市の債務は合計で約10兆円になる。
そうなったとき、これからさらに増えることが予想される単身高齢者などのケアを、行政は本当に持続できるのか。万博というわずか半年のお祭り騒ぎのためにお金を使い果たし、財政赤字を理由に福祉大幅カットというのでは話にならない。
今の大阪府・市の計画は、25年までは万博、その後はカジノ頼みというものだ。しかし、そんなことで、25年以降の高齢化問題に対応できるはずがない。
もともと、大阪が寂れたのは、関西系の大企業が本社を東京に移し、工場も海外に移転、若者も東京などに流出したためだった。
今すぐ、舵(かじ)を切り直し、AI、自動運転、電気自動車、IoT、フィンテック、シェアリングエコノミーなどのために規制緩和と政策支援を行なう特区をつくって、夢洲と舞洲に世界中から先端企業を集めた新都市を建設すれば、大阪はよみがえるはずだ。
それができないのは、首長に知恵と品と誇りがないから? だとしたら、あまりにも悲しい話ではないか。
●古賀茂明(こが・しげあき)
1955年生まれ、長崎県出身。経済産業省の元官僚。霞が関の改革派のリーダーだったが、民主党政権と対立して11年に退官。近著は『国家の共謀』(角川新書)。ウェブサイト『Synapse』にて動画「古賀茂明の時事・政策リテラシー向上ゼミ」を配信中
これ「万博開催決定の陰に潜む巨額の財政負担。一番痛手を被るのは大阪市民だ!」
週プレNEWS 2018年12月07日の記事である。
この記事を見れば、「大阪都構想」等にうつつをぬかし、「クロス選挙」で信を問う何て言う流暢な事維新は言ってて良いのだろうか。明日の飯より今日の飯ではないのか。このままコップの中の争いみたいな事やってて良いのだろうか。この際大阪府・市政をリセットして誰もが納得する行政にしていくのが先ではないのかと私は思った。