これで衆参ダブル選がなくなると報じられるが、元々ダブル選積極派だった麻生氏としては、自分のせいでダブル選ができなくなったうえに、参議院選敗北の責任まで取らされてはたまらない。何とかして責任回避を図りたいところだ。
そこで、上記レポートの受け取り拒否という奇策に打って出た。あれは、有識者が勝手に検討して、間違ったことを言っただけ。自分とは関係ないというのだ。
麻生氏といえば、上から目線で記者イジメをすることで有名だ。その「いじめっ子麻生」が必死に言い訳するさまは、まるで先生にいたずらを見つかったガキ大将が、「先生、俺じゃないよ。あいつがやったんだよ。そうだよな、みんな」と仲間を睨み、手下のせいにする図と同じ。こんな猿芝居で争点隠しを画策しても、誰も信じるはずがない。
先週号では、人生100年レポートのせいで、これから消費はますます冷え込み、景気好転は望めないと書いた。「人生100年不況」が深刻化する前に解散しないと、衆議院選挙のタイミングを失うことを考えると、論理的には衆参同日選の選択肢は十分に検討に値するはずだ。
自民党が行う参院選の情勢調査では、最近までは比較的状況が良いと伝えられていたが、今後、「急速に情勢悪化」という結果が出れば、年金問題が選挙の争点になることは避けられないということだ。消費税増税も併せて争点化すれば、自民が予想外の敗北を喫する可能性は高まる。
参院選だけでも大負けすれば、責任論が出て安倍降ろしになる。総理の座を失うことは、安倍氏にとっては死刑と同じ。それなら、衆参同日選で劣勢挽回を狙ったほうが良いという判断も成り立つからだ。参議院側も安倍氏と利害を共にする。
同日選のメリットは意外と大きいかもしれない。
一方、衆参同日選なら、個別の問題よりも「政権選択」が争点となり、安倍総理は、こう訴えることができる。
「今回は、政権選択の選挙です。立憲も国民も同じ民主の残党。引き続き私どもにお任せいただき日本経済を立て直すのか、それとも、日本経済を滅茶苦茶にした、あの悪夢のような民主党政治に戻るのか。答えは明らかではありませんか!」
言葉を換えれば、「枝野手ごわし」と怖気づくのか、「相手が枝野なら楽勝」という気概があるのか。ここで逃げたという結果になれば、ついに安倍政権の終わりが始まったということかもしれない。
嘘つき安倍が勝てる訳が無い!
この党首討論、この一言だ!!