自民党派閥の長に突出した人間が不在のため「ポスト安倍」に菅官房が浮上してるみたいだが、ちょうどマスコミの「忖度」であり「モリカケ」問題に酷似してる 私事的には菅官房はその器に非ずだ!

菅義偉官房長官が「令和おじさん」として存在感を増している。これまでも実力は認められていたが、玄人受けする存在から抜けきれなかった。しかし新元号の発表以降、知名度が急上昇。政界でもステージが上がり、首相候補としての声も聞こえてきた――。
 
■「ポスト安倍にふさわしい政治家」で6位から4位に
 
 「全く考えていません」
「全く考えていません」
 
 菅氏は48日の記者会見で同じ言葉を繰り返した。1回目は、月刊文芸春秋5月号に「安倍後継は、菅氏も十分資格あり」という二階俊博党幹事長のインタビュー記事が掲載されていることへの感想を求められたもの。
 
 もうひとつは産経新聞FNN世論調査で「ポスト安倍」にふさわしい政治家を尋ねたところ、菅氏が5.8%を集め4位に入ったことについての質問への回答だ。前回の同調査では菅氏の名を上げた人は2.7%で6位だった。産経新聞9日の朝刊で「ポスト安倍 菅氏浮上 『令和おじさん』浸透」と持ち上げている。
 
 41日午前1140分過ぎ、全国注視の中で記者会見を開き、新元号を発表したことで、知名度を上げた菅氏。まさに赤マル急上昇中なのだ。
 
■ライバルの麻生氏は「福岡知事選」で惨敗
 
 安倍政権は、菅氏と、麻生太郎副総理兼財務相、二階氏の3人が安倍晋三首相を支えるという構図だ。3人は必ずしも親密というわけではない。微妙な関係ではあるが、それぞれ付かず離れずしながら安倍氏に忠誠を誓ってきた。「3本の矢」である。
 
 しかし7日投開票の統一地方選前半戦では、菅氏以外の2人は、評価を落としてしまった。
 
 麻生氏は地元・福岡の知事選で、自身が推す新人候補が惨敗。しかも選挙戦の中、麻生氏の元秘書だった塚田一郎参院議員(当時国土交通副大臣)が「忖度」発言をして批判を浴びた。「忖度」発言は福岡での惨敗の一因となり、他の地域でも少なからず自民党に逆風を吹かせた。
 
 敗戦を受け7日夜、麻生氏は記者団に対し「誠にふがいない。われわれの力不足。おわび申し上げたい」と語り、深々と頭を下げた。「森友」問題の文書改ざんなどで批判の矢面に立ちながら、開き直るような態度をとり続けていた麻生氏にしては珍しく、しおらしい対応。それだけショックだったのだろう。
 
■二階氏のお膝元「和歌山県議選」で自民現職が落選
 
 全国の選挙を仕切る立場の幹事長である二階氏は、党が推す候補が福岡県に加え、大阪府大阪市、そして島根県でも敗れた批判は免れない。そして、何よりも二階氏のお膝元である和歌山県議選の県御坊市選挙区(定数1)で、8期務めた直系の現職が、共産党の新人に敗れるという失態を犯した。二階氏は落選の報に激怒したという。
 
 その二階氏は塚田氏の忖度発言が全国の地方選に影響した可能性について聞かれ「影響が全くないとは言えない」と語った。自分の地元の敗北も忖度発言が影響したともとれる発言。麻生氏に対するさや当てのように聞こえた。
 
 菅氏はどうだろうか。総じて言えば7日の投開票では菅氏は「独り勝ち」したといえる。
 
■大阪ダブル選で自民は負けたが、菅氏の存在感は上昇
 
 大阪府知事、市長のダブル選で自民党は負けた。しかし、市長選で勝った大阪維新の会代表・松井一郎氏らと太いパイプを持つ菅氏にとっては新たな選択肢が生まれた。大阪維新が勢いを盛り返し国会でも影響力を持つようになれば、菅氏の存在感は増すだろう。
 
 安倍氏も悲願である憲法改正を実現するためには維新勢力の協力が必要だと考えている。そう考えれば大阪ダブル選の結果は、安倍首相や菅氏にとって、マイナスではない。むしろプラスかもしれない。
 
 もうひとつ。7日の投開票で自民党にとって会心の勝利だった北海道知事選も菅氏の得点となった。
 
 今回の知事選では唯一の本格的な与野党激突となった道知事選では、自民党などが推す鈴木直道氏が全国最年少知事となった。菅氏は、自身と同じ法政大出身の鈴木氏に目をかけており、擁立に尽力した。選挙戦最終版の6日には自ら北海道入りし、街頭で鈴木氏支援を訴えている。
小泉進次郎氏へのつなぎ役なら首相に就くことは可能
 
 新元号を発表して知名度を上げるのと時を同じくして、党内の影響力も増しつつある。首相候補として名が上がり始めた。これまでは、政治力量は誰もが認めていたが地味な印象から抜け出せなかった菅氏。党の幹事長や官房長官は適任だが、首相候補という見方は少なかった。
 
 その殻を破ったのは、「平成」会見から「平成おじさん」として知名度を上げ、首相に上り詰めた小渕恵三氏と菅氏をダブらせて見る人が増えているからだろう。
 
 菅氏は今、70歳。首相を目指すには少し高齢ではある。ただし二階氏は80歳。麻生氏は78歳。2人と比べると若い。まだ37歳の小泉進次郎氏へのつなぎ役としてワンポイントで首相に就くことは可能な年齢でもある。
 
 菅氏は小泉氏もかわいがっている。もし菅政権が誕生したら早速、小泉氏を官房長官などの要職につけて事実上の後継指名するのではないか、という気の早い予測まで出始めている。
 
■脇役から主役に位置づけが変わった「証拠」
 
 脇役から主役に位置づけが変わった「証拠」として、二階氏の言動を指摘しておきたい。二階氏は、冒頭紹介したように文芸春秋5月号で「菅さんはこの難しい時代に官房長官として立派にやっておられますね。それは素直に評価に値すると思っています。また、彼はそういうこと(ポスト安倍の総裁候補)にも十分耐えうる人材だとも思っています」とべた褒めしている。
 
 二階氏は独特の政局観を持つ。自分で事態を切り開くというよりは、どちらが勝ちそうかを瞬時に判断し、誰よりも早く勝ち馬に乗る。そのことは過去の記事(80歳の古だぬき」二階氏が権力もつ理由)で紹介している通りだ。
 
 二階氏は9日の記者会見で改めて菅氏のことを聞かれ「これから多くの候補が出てくると思いますが、その一人として一例をあげたということであります。党のみんなが関心を強くもってもらい、いい候補選びに協力を促すということです」と答えた。
 
 二階氏は、いち早く2021年の党総裁選で安倍氏4選を支持すると明言した。安倍氏が「勝ち馬」とにらみ、一点買いしていたのだ。今も安倍4選を基本と考えているのだろうが、少なくとも第2の選択肢として菅カードも考え始めた。このことは、2021年の自民党内の総裁レースの潮目が変わりつつあることを物語っている。
 
 

これ『「次の首相」に菅官房長官が急浮上のワケ』と題したPRESIDENT Online4/11() 15:15の配信記事である。

 
 
流行り言葉の「忖度」と言う言葉を使わせて頂けば、上記事はマスコミが「忖度」した結果だろうと私は思う。政治的に「忖度」と言う言葉は単純にマスコミが「忖度」する訳はない。その本人かあるいはその側近がマスコミに間接的にお願いするのが常である。でなければ絶対にマスコミは「忖度」等しない。「モリカケ」問題を見れば良く解る。これは安倍首相の周りを見れば解るが、安倍首相本人が友人や細君の関係者を「私の大事な友人で大事な人なのでヨロシク」とでも言ったから安倍首相の側近や政治行政上の部下が首相の代わりにやった事なのである。これを政治的に「忖度」したという事なのである。今回の「ポスト安倍」に菅官房が浮上したのは、旧来の派閥の長がドングリの背比べ的に突出した者が居ない事を良い事に、表面的には「全く考えていません」とは言って、政治に身を投じたからには、故竹下登首相が言ったように、最終的にトップの総理大臣を狙わないのは嘘である。全ての政治家はなれれば総理大臣になりたいのが本心だ。それを「全く考えていません」とは外向きの気持ちであって、本心はそうでないのが真実の筈である。今回自民党総裁をもし他人に推薦してもらえるのなら、これほど運の良い人は居ない。昔の「三角大福中」の骨肉の争いが逆に懐かしい限りだ。結論的に私事的に言わせて頂けば菅官房はその器に非ずだ!!