自民党総裁選小泉進次郎議員が動き始めた 期待したい

自民党を愛しているからこそ・・・」
いまや「総理にしたい政治家」NO1自民党小泉進次郎筆頭副幹事長。
先月、私は小泉氏の周辺からこんな話を聞いた。
「先日、小泉議員と会ったら、安倍総理に怒り心頭でした。総理に異論を唱えない党内の空気にも相当怒っていました」
そして、その場で小泉氏はこう述べたという。
「昔の自民党なら倒閣になってた。私や石破さんが言うと、『後ろから鉄砲を撃つ』と言われるが、私は真っ正面から撃っている。自民党を愛しているからこそ、このままではいけないと思っている。誰が嘘をついているかは明らかだ」
「誰が嘘をついているか」というのは、加計学園獣医学部新設を巡る問題で、学園側が「加計孝太郎理事長と安倍総理が面会したという誤った情報を愛媛県に伝えた」と、説明したことを指している。
小泉氏はこの後、自民党内の会合で、国会にこの問題を調査するための特別委員会を設置する必要性を訴えた。その際に小泉氏は「どう考えても愛媛県に嘘をついているというのはおかしい」として、まさに言行一致を貫いている。
 
「(秋の)総裁選で小泉議員が安倍総理に入れることは100%ないですね」と、先の周辺は断言する。
「ただし、前回の総裁選みたいに、安倍さん以外に静かに投票するという感じではなく、相当(自分の立ち位置を)発信して安倍さん以外に投票するのではないでしょうか」
 
果たして小泉氏は、多くの国民が期待する通り、総理となることができるのか?
この【連載】では、小泉氏のこれまでの「進化」の過程を振り返り、その資質を問うていく。
「進化」のスタートとなるのは、いまから14年前、ニューヨーク留学時代だ。
なぜなら小泉氏が、日本と世界に目を向けるきっかけとなったのは、多くの人種、国籍、宗教、言語のるつぼであるニューヨークだったからだ。
マンハッタンの夜空に巨星が上がった
20057月にニューヨークに赴任し、最初の冬を迎えた私はコロンビア大学大学院で教鞭を取っていた米日財団理事長ジョージ・R・パッカード氏と、当時流行っていたマンハッタンの焼き鳥レストランで食事をしていた。
その席に一緒にいたのが、コロンビア大学院でパッカード氏のもと国際政治学を学んでいた20代半ばの小泉進次郎氏だった。
当時、小泉氏の父・純一郎氏は内閣総理大臣であり、兄・孝太郎氏はすでに俳優としてテレビ画面でよく姿を見ていた。
 
小泉氏は、スマートな純一郎氏や孝太郎氏に比べて、「背がそれほど高くないが、がっしりした体格だなあ」という印象を持ったことを思い出す。顔立ちは、孝太郎氏と同じくイケメンで、さらに精悍な感じを受けた。礼儀正しく、学生らしいふるまいと利発そうな話しぶりに、私は一発で好感を持った。
 
焼き鳥をつまみながら、大学院の勉強やニューヨークでの生活など他愛のない話に花を咲かせ、それが一段落すると、小泉氏とは父親以上に歳の離れたパッカード氏が、突然こんなことを聞いた。
「お父さんの跡を継いで、出馬するんだよね」
 
総理だった父・純一郎氏の後継者となるのか、当時から小泉氏の去就には注目が集まっていた。しかしこの時点では、小泉氏は出馬の意向をまだ公にはしていなかった。
私は緊張しながら返答を待った。
そして少しの沈黙の後、小泉氏ははっきりと言った。
 
「はい、出馬します」
私は驚き、思わずパッカード氏と目が合った。
パッカード氏も興奮を抑えきれなかったのだろう。翌朝、私に届いたメールには、こう記されていた。
「私たちは、マンハッタンの夜空に巨星が上がったのを見た証人ですね」と。
 
リーダーシップがある 優秀な聞き手
小泉氏は大学卒業後の2004年に、コロンビア大学付属の英語学校に入った。
学生時代から英語の勉強が好きで短期留学も3回経験していたのだが、入学当時の英語力は必ずしも高くなかったようだ。
しかしわずか1年で、英語力は驚くほど上達したと当時を知る関係者は言う。
 
「彼は質素なアパートで一人住まいをしていました。本当にすごいなあと思ったのは、最初会ったときは、彼は全然英語をしゃべれなかったのに、その後、一年で10回くらい会ったと思うのですが、『え?いつの間にかうまくなっている』と。1年間でこんなに英語がうまくなった日本人を見たことがないです」
 
今年の4月、8年ぶりに会ったパッカード氏は、当時の小泉氏の様子について語ってくれた。
「彼は本当に賢い学生で、自分が発言するべきタイミングが来るのを待っているような学生でした。また英語もうまかったです。進次郎は当時からリーダーシップがありました。他の学生に対して常に敬意を払っていましたし、話すことだけでなく優秀な聞き手でもありました。これはリーダーとしてとても重要なことだと思います。」
「ニューヨークを思い出すと今でも胸が苦しくなる」
小泉氏は永田町や霞が関には珍しい、関東学院大学の卒業だ。
学歴だけをみて、「コロンビア大学院に入ったのは親のコネじゃないか」と嫉妬交じりの声もある。しかし、コロンビアで小泉氏の同窓だった霞が関のある官僚は、こうした声を一笑に付した。
「まったくそんなことはないです。むしろ東大出身で他の省庁から来ている留学生よりも、よほど英語がうまいし、よほどしっかりしたことを話しているし、よほど社交的でした。ディスカッションで、日本人の中で誰よりも発言していたのは進次郎さんです。自分が東大を出ていて言うのもなんですけど、進次郎さんを見ていたら学歴とか関係ないなあと思いました」
 
当時の小泉氏の平均睡眠時間は、3時間だったそうだ(オフィシャルサイトによる)。
その中で小泉氏は留学時代をこう振り返っている。
「限界に挑んでいるような日々で、常に全力のスピードで走っていた感じだったが、最大限自分を成長させられた機会でもあった。本当に大変だったので、ニューヨークを思い出すと今でもなんだか胸が苦しくなる」
 
そして、小泉氏は20065月にコロンビア大学院を卒業後、米国の首都ワシントンD.C.に向かう。外交・安全保障のシンクタンクで働き、国際政治と外交の舞台裏を見るためだ。(連載第2回に続く)
 
 
筆者:フジテレビ 解説委員 鈴木款
早稲田大学卒。農林中央金庫で外為ディーラーなどを経て、フジテレビに入社。営業局、「報道2001」ディレクター、NY支局長、経済部長を経て現職。著書「小泉進次郎 日本の未来をつくる言葉」(扶桑社新書
 
 
これ『【連載-1-小泉進次郎の覚悟「私は真正面から鉄砲を撃っている」』と題したFNN Prime7/10() 18:30の配信記事である。
 
 
こうしてみると小泉議員は至極普通の人間である。
彼が言うように、今の安倍自民党は異常である。何故こうなってしまったのか。
これらの全ては今の日本の選挙制度にあると言っても過言ではない。
米国は例え経済大国とは言っても、国家つまり国そのものは歴史の浅い新興の民主国家に近い。それ引き換え我が日本は、国そのものは米国よりも古いアジアの慣習制度の厚い守旧国家である。その国が米国の二大政党制を真似ようとも無理があったとみるべきで、選挙制度の熟成の度合いの違いも顕著だった。そこを利用したのが今の安倍自民党であり、党の権力を100%利用し、モノを言わせない政党政治を作ってしまった。それを今小泉議員は批判してる訳で、当然と言えば当然である。それをこの異常体制に慣れてしまった安倍政権はそれを理解出来ず、批判のみに邁進してる様は正に「六菖十菊」(りくしょうじゅうぎく)と言える。
今後の小泉議員の逆襲が見ものである。じっくり観察したいものである。