財務省は9日、学校法人「森友学園」に関する決裁文書が書き換えられた疑惑について、12日に調査内容を報告すると与党に伝えた。自民党の森山裕国会対策委員長が記者会見で明らかにした。野党は文書の原本を提出するよう要求している。政府は文書を大阪地検が保有していると説明しているため、与野党で国政調査権の発動を求める声も上がっている。
与党は財務省に内部調査を要請し8日までの報告を求めていたが、財務省はまだ国会に十分な報告をしていない。決裁文書の書き換えがあったか否かは「調査中」と答弁しており、野党の反発を招いている。自民党の二階俊博、立憲民主党の福山哲郎両幹事長は9日夜、国会内で会談。福山氏は文書の存否を明らかにするよう改めて求めた。
与党・公明党は国政調査権の行使に理解を示している。大口善徳国会対策委員長は同日夜、記者団に対し、財務省の12日の調査報告を待つ考えを示したうえで「必要があれば国政調査権の行使はあり得る」と話した。自民党内には慎重論がある。
国政調査権を使うには資料の提出を求める委員会で多数の賛成を得る必要がある。民進党の増子輝彦幹事長は国会内で記者団に「要求している資料が全く出てこない。国政調査権を発動し、与党も一緒に問題の解決に取り組むことが国民に対する責任だ」と主張した。