会合は岸田氏の方から持ちかけている。9月の総裁選についてじっくり話し合ったのは間違いない。麻生氏は「とにかく2位を目指せ」「3月までは動くな」とアドバイスしたという。
「安倍さんの周辺が、麻生―岸田の接近にピリピリするのは当然です。もし2人が組んだら、安倍さんは9月の総裁選で負ける可能性があるからです。第2派閥の麻生派(60人)と第5派閥の岸田派(44人)が共闘すると100人を超える。安倍さんの出身母体の細田派は最大派閥ですが、96人です。もともと麻生派と岸田派は、同じ旧宏池会だけに手を組みやすい。旧宏池会がまとまれば、自民党内も安倍政権に飽きているだけに、勝ち馬に乗ろうとして第3派閥の額賀派(54人)と、第4派閥の二階派(44人)も、岸田文雄氏を担いでおかしくありません」(自民党関係者)
■狙うは「キングメーカー」
実際のところ、麻生氏が安倍を裏切る可能性はあるのか。表向き2人は盟友だけに、裏切ったら激震が走る。
「麻生さんが狙っているのは、キングメーカーです。もし岸田文雄氏を担いで総理にできるなら、躊躇せずに安倍さんを裏切ると思う。このまま安倍さんを支持していても、これ以上の影響力は持てませんからね。何より大きいのは“犬猿の仲”である菅義偉官房長官への怒りです。菅長官が『ポスト安倍は河野太郎だ』とキングメーカー気取りなのが許せない。そもそも、河野太郎氏は麻生派ですからね。『何を勝手に他人の派閥に手を突っ込んでんだよ』という気持ちでしょう。
黙っていたら、キングメーカーの地位を菅長官に奪われかねない。キングメーカーとして生き残るためにも、岸田文雄氏と手を組む可能性はゼロではないでしょう。わざわざ岸田さんとサシで会ったことを世間に公開したことも、思惑を感じさせます」(政界関係者)
麻生氏が裏切ったら、総裁選は一気に面白くなってくる。
これは麻生財務相が裏切る裏切らないの問題ではなく、単に岸田さんが禅譲以外の道を確認しただけに過ぎないと私は思う。何故なら政治の世界で禅譲の前説上手くいったためしがないからである。唯その手法には宏池会と言う公家集団は、その名の如く、何度も騙されてきた。ここは生来闘う集団でないからである。でも岸田さん状況を見定めるための行動だろう。だが乗ったふりの麻生さんもなかなか老獪だ。一度トップを経験してるから慌てずジックリの物見とも言える。だからこその聞えよがしの接近情報リークと言える。政治的には権力は禅譲等あり得ない。それは闘ってもぎ取るものだからだ。でないと全て自由意思で出来ず、トップでありながら常にお伺いがついて回るからだ。そうなれば何のための権力者かとなるからである。恐らく公家集団の岸田さんは宰相にはなれないと私は思ってる。