小泉政権時のバカの一つ覚え「郵政民営化」と安倍首相の悲願の「憲法改正」は同類か?

 安倍晋三首相は4月18日夜、東京・赤坂の日本料理店を訪れ、経済人との席に向かおうとしたところ、見慣れた面々が目に入った。小泉純一郎元首相と、山崎拓元副総裁、武部勤元幹事長、二階俊博幹事長、東京都の小池百合子知事だった。
 小泉氏に「よう!」と声をかけられた安倍首相は席に立ち寄った。ひとしきり軽口を飛ばした後、都議選(7月2日投開票)を念頭に言った。
 「小池さんと自民党が全面対決するような話でもないよね」
 安倍首相の軽妙な語り口で、ジャブの応酬は大人の雰囲気で進んだ。空気が一変したのは、ある幹事長経験者が次のように言ったときだった。
 「1年後も『小池ブーム』に衰えがなかったら、知事は国政に打って出るべきだ」
 小泉氏が異を唱えた。
 「いや、そうじゃない。都知事の4年の任期をしっかり務め上げるべきだよ」
 他の幹事長経験者も小泉氏に賛同した。小池氏は苦々しい笑顔を浮かべて黙っていたという。
 「外交の年」と評される2017年だが、都議選は内政の重要な節目となる。政界関係者が注目するのは、小池氏が国政への色気を明確に否定しないことだ。
 期待を隠さないのが、公明党だ。自民党都連との関係を断ち切って、小池陣営との連携に舵を切った。ジリ貧の民進党も、小池氏に秋波を送り続けている。
 一方、自民党や官邸には、小池氏に批判的な勢力が少なくない。都知事選出馬の経緯や、東京五輪の会場問題に加え、決断を先送りしている豊洲新市場への移転問題では、「政治目的達成のため、税金を無駄遣いしている」という批判まで上がっている。
 「ピークを過ぎた」との見方もある小池ブームだが、安倍首相のスタンスは都知事選当時から同じ。小池氏との全面対決を避ける方針なのだ。
 安倍首相は、小池人気にあやかろうとする公明党にも淡々。「公明党抜きで選挙を戦ういいチャンスだ」と自民党都連にハッパをかけている。
 自公間の隙間風は、中央政界にも濃い影を落とし始めている。
 「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の審議に関する、安倍首相と山口那津男代表の軋轢(あつれき)は、軽減税率の議論のときにみられた「条件闘争」とは質的に異なる。永田町の観察者には、連立与党間の「深い亀裂」としか見えない。
 その間隙を縫って、日本維新の会が安倍政権への接近を狙っている。民進党は、党内保守派の流動化が止まらない。
 「安倍一強」と言われながら、永田町では静かな地殻変動が起き始めている。衆参両院で「改憲勢力3分の2を維持する」という不動の目標を前に、各勢力の離合集散・合従連衡をどう操っていくのか。安倍首相の「政治技術」が試される局面に入っている。 (ジャーナリスト・山口敬之)
 
 
これ『「安倍一強」に地殻変動、連立与党間に“深い亀裂” 首相手腕問われる時 山口敬之氏が特別寄稿』と題した夕刊フジzakzakの5月16日の記事である。
 
 
確かに小池人気は色あせている、が一方、それ以上に色あせるのは安倍首相の方だ。安倍首相の少しのミスでも起きれば、即自民は雪崩を打って、坂道を転がるが如く右往左往し、統制が取れなくなるだろう。これは過年の小泉政権時の「郵政民営化」以上に匹敵する。何故なら日本国の根幹を揺るがす憲法改正問題が終生尾を引くからである。
自民党議員の地方の大半の議員は必ずしも「憲法改正」に全面的に賛成ではないからである。自民党議員の里帰りでの話を聞けば良く解る。大局的な国会議員としてみれば、国政への距離の違いと言えば良いのかも知れない。地元の有権者に何故今「憲法改正?」と問われれば、ハッキリ返答出来ないからである。それが現実でもある。大体安倍首相はじめ自民の重鎮たち、本当に国民投票での「憲法改正」が可と考えて居るのだろうか? 例え試算と言ってもこの憲法改正に掛かる850億円の経費は、衆議院内閣法制局が20年前の新潟県巻町の巻原発住民投票を根拠に試算した結果の金額だ。このデフレ不況時にこれだけの金額をかけてまで、優先してやらなければならない問題なのかと言う事でもある。