フジのバラエティ特番『FNS27時間テレビフェスティバル!』 こんなのまだやってんだ!

今月2324日にわたって放送されたフジテレビ系大型バラエティ特番『FNS27時間テレビフェスティバル!』の全平均視聴率が、過去最低の7.7%に終わった。これまでのワーストは2013年の9.8%で、昨年も10.4%を記録していただけに、まさに急落と言える。
さらに、時間帯別の最高視聴率も、古舘伊知郎をゲストに迎えた『ホンマでっか!?TV』の13.3%にとどまるなど、「番組が盛り上がるヤマ場がなかった」という現実にショックを受けている関係者は多い。
このところジリジリと視聴率が下がっていたとはいえ、1987年のスタートから、30年にわたって"夏の国民的イベント"と言われた番組に、何が起きているのだろうか。
■リレー方式のMCと番組の物足りなさ
今年は、メインMCを立てず、コーナーごとに異なる"MCリレー"方式を採用したが、まずこれが、『27時間テレビ』ならではのお祭りムードを奪っていた。大物タレントが27時間無理をしたり、めったに出ない番組で暴れたり、だんだん疲れていったりするから面白いのだが、今回はそれがなかったのだ。
そのため、「2時間前後の特番を続けて放送しているだけ」という印象が強く、明石家さんまSMAP騒動について中居正広に切り込み、ベッキーと生電話で話したこと以上のトピックスはなかった。
しかも、MCたちが司会を務める各番組(『痛快TVスカッとジャパン』『ホンマでっか!?TV』『さんまのお笑い向上委員会』『いただきハイジャンプ』『キスマイBUSAIKU!?』『バイキング』『ネプリーグ』)が、人気があるとは言えない状況だけに、『27時間テレビ』に組み込まれたところで、毎週放送されている他局のレギュラー番組に勝つのは難しい。また、『スカッとジャパン』を両日に放送し、『サザエさん』とコラボさせるなど、それなりの軸に据えていたが、27時間を任せるほどの大胆さもなかった。
そもそも、『27時間テレビ』という番組自体が、視聴率が好調のときにやるべきものと言える。たとえば、現在トップをひた走る日本テレビなら、『ザ!鉄腕!DASH!!』『世界の果てまでイッテQ!』『行列のできる法律相談所』『1億人の大質問!? 笑ってコラえて!』『踊る!さんま御殿!!』などの高視聴率番組をリレーしてもいいし、どれか1つをメインにしてもいいだろう。
フジが現在不振なら、放送中の番組をベースにせず、「全く異なる新たな番組で挑む」くらいの大胆な策が必要ではないか。ともあれ、今回は腹をくくって奮闘する大物MCも、軸になる人気番組も、両方がないところに、現状の苦しさが表れていた。
■お祭りムードも対抗意識もなし
「番組を引っ張る存在がいない」寂しさは、他のコーナーにも表れていた。
目玉企画の1つ、『ナオトの!27時間でみんなと一緒に100曲歌うフェス』は、77日に亡くなったばかりの永六輔さんが作詞した「上を向いて歩こう」を歌ったラストこそ感動があったが、「なぜナオト・インティライミなの?」「27時間で100曲ってキツイの?」などの放送前から指摘されていた疑念は消えず…。ナオトとコラボしたアーティストの顔ぶれには、大物も旬もいなかった。
同様に、芸人のネタ見せトーナメント『笑わせたもん勝ちトーナメントKYO-ICHI』でも、M-1R-1の優勝者もベテランの大物もいないなど、多くの視聴者を巻き込む華に欠けた。
一方、FNSの系列局を生かした企画は例年1つだが、今年は『FNS全国高校生スーパーダンク選手権』『FNS全国そっくりキャラ選手権』の2つを放送。しかし、前者は2度目であり、後者は『笑っていいとも!』の定番企画だったものだけに、目新しさがない分、視聴者をクギづけにすることができなかった。何より、各地の局員や名物市民がハジけまくるお祭り感や、「他局には負けられない」という秘めた対抗意識が見られなかったのが寂しい。
dボタンで視聴者が参加するデータ放送も、「例年の2倍採用した」というが、当然ながら各コーナーに対する視聴者の関心が高くなければ、一部ファンへのサービスにすぎず、起爆剤とはならなかった。
■課題が露呈したエンディング
もう1点、大きな課題を露呈したのが、番組のエンディングだ。
通常、長時間番組は、終盤に向けて盛り上がりが増し、クライマックスを迎えるエンディングでの感動が約束されているようなものだが、今年はそれもなし。
『スーパーダンク選手権』の出場チームに、Hey! Say! JUMPのメンバーを加えた27人が同競技に挑戦したのだが、アイドルたちが次々に失敗。エンドロールが流れる間の"泣きの一回"でも、高校生が2度失敗したが、それをなかったことにして、最後の1人が強引にシュートを決め、「成功」のテロップを出して締めくくった。
当然ながら、27時間走り切った感動や達成感はなく、あるのは「アイドルと高校生にズルをさせた」という後味の悪さだけ。本来、スタッフと出演者が、失敗を笑いに変えて終わらせるものだが、それができないところに同番組の苦境がある。
思えば、1987年のスタート当初は、『24時間テレビ 愛は地球を救う』のパロディであり、"笑い"という太い軸でエンディングまで大笑いさせてくれた。しかし、2000年代後半ごろから笑いの要素が減り、感動にフィーチャーすることが増え、今年は両方ともほとんど感じられなかった。今後、『27時間テレビ』はどうなってしまうのだろうか…。
■亀山社長と松本人志の本音
昨年10月、フジテレビの亀山千広社長が「検証というか、もう一度しっかり考えるところに来ている」「やめるという決断は勇気のいることだと思う」と"見直し"の検討に入っていることを明かしていた。
同様に、ダウンタウン松本人志も同局系『ワイドナショー』で、「毎年やらないといけないのかな。休んでみてもいいのでは?」と提案していた。
大型イベントだからこそ、スタッフの勤続疲労や義務感によるモチベーション低下もあるだろうし、今回の視聴率を見ても、多くの視聴者から支持されていないのは明白だ。視聴者、出演者、スタッフが望んでいないのであれば、打ち切りもやむをえないのだが、果たして本当にそうなのか…。
番組を打ち切るのは簡単だが、その後は『笑っていいとも!』のように、毎年失ったものの大きさに気づかされるかもしれない。分わかっているのは、"見る人""出る人"のモチベーションを上げるためには、"作る人"がもっと頑張るしかないということだ。来年、復活を遂げた『27時間テレビ』が見られることを、切に願っている。
■『FNSの日』(27時間テレビ)歴代視聴率
1987:19.9%(総合司会:タモリ明石家さんま)
 1988:14.0%(タモリ笑福亭鶴瓶)
 1989:14.7%(タモリ明石家さんま)
 1990:11.7%(須田哲夫アナ、河野景子アナ)
 1991:11.7%(桂三枝八木亜希子アナ、有賀さつきアナ)
 1992:19.0%(ビートたけし逸見政孝)
 1993:17.9%(ビートたけし逸見政孝)
 1994:13.8%(ビートたけし)
 1995:15.1%(ビートたけしほか)
 1996:14.4%(ビートたけしほか)
 1997:11.6%(ダウンタウン)
 1998:12.1%(中居正広)
 1999:13.3%(中居正広)
 2000:13.9%(中居正広)
 2001:11.4%(MCリレー)
 2002:11.6%(みのもんた)
 2003:10.3%(みのもんた)
 2005:13.0%(笑福亭鶴瓶)
 2006:12.6%(居正広)
 2007:12.4%(香取慎吾)
 2008:13.8%(明石家さんま)
 2009:13.8%(島田紳助)
 2010:12.6%(島田紳助)
 2012:14.1%(タモリ)
 2013: 9.8%(女芸人イレブン)
 2014:13.1%(SMAP)
 2016: 7.7%(MCリレー)
(視聴率の数字は、ビデオリサーチ調べ・関東地区)
 
 コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月2025本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などに出演。取材歴2,000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。 .
 
 
これ『「FNS27時間テレビ」歴代最低視聴率の衝撃…30年目の名物番組に何が起こったのか』と題したマイナビニュース木村隆志さんの記事である。
 
 
まだこんなのやっているかと驚きである。
今や世界はネットでつながり、世界の人間が自由にコンテンツを選べる時代である。つまりは自分の好きなモノと情報が自由に見て受け取れる時代になったのである。
テレビ等の放映は自分の好きな番組を見つけるのには無理がある。特に地デジである。NHKニュースを除けば民放等は殆どがバラエティ番組となってしまい、じっくり見るには必然的にBS放送になってしまう。ポータルメディアではBSは不可能なので、必然ネットとなってしまう。お蔭でアナログ等の新聞や本あるいは週刊誌等は衰退の一途に近い。それに一番良い例が、出版系の衰退であり、出版社の破たんである。だから生き残りをかけた出版社の、安く仕上げようとの自費出版の目白押しだ。そんな時に今更の、1日中娯楽でもないだろうし、そんなの視聴するの余程暇か何の目的も無いダラダラ人間しかいないのではないか。余りにも脳が無さ過ぎないか?