第2次安倍改造内閣の山谷えり子拉致問題担当相(福井市出身)は7日、就任あいさつのため福井新聞社を訪れた。拉致・特定失踪者問題について「政府認定の有無に関わらず、全ての被害者を救出し、帰国していただくのが明確な政府方針。北朝鮮には誠実な対応を求めていく」と述べ、圧力と対話で解決へ取り組む決意を重ねて示した。
吉田真士社長らと懇談した山谷氏は、福井県内特定失踪者の家族らから期待と信頼の声が出ていることに「何度もお会いして悲しみ、怒りを共有できるよう心がけてきた。特定失踪者問題に深く関わってきた」と基本姿勢を強調した。
北朝鮮による安否再調査の報告が9月第3週以降にずれ込む公算が出ている点には「9月後半に移ってきている状況」とする一方、北朝鮮が報告の時期や形態を示していないとして「まだ具体的に申し上げることはできない」と述べるにとどめた。結果を出す時期については「菅義偉官房長官は1年ほどと言われているが、できる限り早く」とも付け加えた。
1997年に若狭町(旧三方町)の宮内和也さん=当時(32)=が失踪した同町世久見の現場に関して「あそこの海岸は何度も歩いたし、説明を聞いて本当に奇妙な感じを持っている。真相究明していきたい」とした。調査結果のリストに県内特定失踪者が含まれる可能性については「なかなか答えにくい部分もあるが、拉致の疑いは極めて濃いと思っているので追及してご帰国いただくということだ」と語った。