「ヴァージン アトランティック航空が日本撤退へ」――。9月3日に明らかとなったこのニュースが、航空ファンの間で大きな反響を呼んでいる。
イギリスを本拠とするヴァージンは同日、日本とイギリスを結ぶ唯一の自社便である東京―ロンドン線から撤退すると発表した。成田国際空港とロンドン・ヒースロー空港をつなぐ路線を25年にわたって運航してきたが、2015年2月1日の成田発便の運航を最後に廃止する。
「驚いた」「残念」「悲しい」「マジか! 」「一度乗ってみたかった」。ソーシャルネットワーク上では、ヴァージンの日本撤退について、さまざまなコメントが寄せられている。総じて惜しむ声が多い。
■ 「不採算路線の撤退」に異論
ヴァージンは今回、東京線のほかに、ロンドン発着のバンクーバー(カナダ)、ムンバイ(インド)、ケープタウン(南アフリカ)の各路線についても撤退を表明した。一部メディアは「不採算路線の撤退」と報じているが、東京―ロンドン線についてはその一言で片付けることに異論もある。
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東京―ロンドン線は、もともと日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)、ヴァージンの4社が成田発着で運航してきたが、今年(2014年)春から羽田空港発着の路線が新設。JAL、ANA、BAは羽田―ロンドン線を就航し、ヴァージンは成田に残された(BAは成田―ロンドンも運航)。
羽田は都心からのアクセスに優れ、搭乗手続きの締め切り時刻も出発の40~45分前に設定されている(成田は出発1時間前)。羽田線のほうが優位な面は多いものの、ヴァージンの成田―ロンドン線は「固定ファンに支えられており、他社の羽田線就航で搭乗率が大きく下がるような影響は受けていなかった」と、航空・旅行アナリストで帝京大学非常勤講師の鳥海高太朗氏は指摘する。
■ 奇抜な発想で独自の立ち位置
欧州の航空業界は、BAとスペインのイベリア航空が統合したインターナショナル・エアラインズ・グループ、エールフランス-KLM、ルフトハンザドイツ航空の3大勢力に集約が進んでいる。その中にあって、ヴァージンは独自の立ち位置で存在感を示している。
アイデアマンのサー・リチャード・ブランソン会長が率いる同社は、機内にバーカウンターを設置したり、機内食を好きなときに注文できる仕組みを導入するなど、航空業界にこれまでなかった仕掛けを次々と取り入れてきた。
本拠地のヒースロー空港では、ヘアサロンやサウナなどを備えた「クラブハウス」と呼ばれるラウンジを設置。自家用車で来るビジネスクラス利用者を対象にした専用チェックインなども有名だ。「クラブハウスは世界トップクラスのラウンジ」と鳥海氏は評する。
日本でも、ビジネスクラスの利用者を対象に自宅から成田空港まで送迎するといった独創性のあるサービスや、独特のスタイリッシュな機内・ラウンジなどによって、ファンを獲得。他社が羽田―ロンドン線を就航した後も、ヴァージンの成田―ロンドン線は大きな打撃を受けていなかった。
■ ちらつくデルタの思惑
それではなぜ、日本路線からの撤退を決めたのか。
デトロイトをハブ空港とするデルタの主戦場は大西洋路線。ヴァージンもそれに沿ってデルタとの共同運航(コードシェア)を強化していく。そのあおりを食って、ロンドン―日本線から撤退せざるを得なくなったというわけである。
ヴァージンの撤退により、成田―ロンドン線を運航するのはBAのみとなる。ヴァージンのマイレージプログラムを利用するユーザーは提携パートナーであるANAの羽田―ロンドン線を使うことになるだろうが、日本に就航するエアラインが1社減ってしまうのは日本の航空業界、そして成田空港にとって残念な出来事だ。(武政 秀明)
これ「ヴァージン航空、惜しまれる日本撤退のナゾ」東洋経済オンライン 9月5日(金)6時0分の配信記事である。
この航空会社決して採算の悪化からでは無い。長距離外国線を得意としてそれなりだったにも拘らず、撤退を決めたのは何の事無いマーケットの先取りであろう。これからのトウキョウオリンピックを見据えての事でもあろう。開催国日本の羽田重視による拡充への対処と思われる。今後このように成田からはオリンピック開催までの間に撤退ラッシュとなるは必定である。着陸料でもってる成田としては、もうどうしようもないであろう。完全に国の施策が間違っていた。最初から羽田拡充策がベストだったにも拘らず高い損失であった事は事実である。例え技術的問題や時の経済問題があったにせよ、それだけでは無かった筈である。完全に自民党政権の失敗だったのである。国民とは飽きっぽいのかどうか解からないが、もう既に当時の事忘れ去っているのである。が私は忘れない。この思いは今度の国政選挙でお返しをしたいと思っている。
私も成田に限らずこの空港問題、過去、拙ブログにて下記の通り記事にして来たので見て頂ければありがたい.。