これが自殺した笹井芳樹副センター長が所属していた理研の実態である

 理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB、神戸市中央区)の(52)が自殺したことに伴い、神戸市が、最先端医療技術の研究開発拠点として整備する「医療産業都市構想」の実現に対し懸念の声が高まっている。理研が現在、再生医療などの基礎研究の実用化を目指し建設中のビルは“笹井ビル”とも呼ばれるほど。笹井氏は計画推進の中枢を担っていただけに、「先導役」の突然の死が及ぼす影響は計り知れない。
【画像で見る】理研の「融合連携イノベーション推進棟」完成予想図
 同構想を掲げる神戸市は平成10年から、同区の人工島・ポートアイランドで、最先端医療技術の研究開発拠点の整備を進めている。
  その中で、理研は今年4月、CDBから百数十メートルの場所で「融合連携イノベーション推進棟」建設に着工。27年3月の完成、同6月ごろの研究開始を目指している。国は24年度に38億円の予算を計上。同市は整備支援として25年度に16億9千万円を計上、土地を無償提供している。
  このビルには、理研の研究者が製薬や医療機器のメーカーとチームを組んで入り、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った目や毛髪などの再生医療や、スーパーコンピューター「京(けい)」などを活用した創薬研究を想定。「医療産業都市構想の中核である理研の新事業」として、同市も大きな期待を寄せている。
  関係者によると、笹井氏が予算計画や市との交渉も担当し、政府関係者にビル建設の意義を説いて直接予算化を働きかけたこともあった。理研内部の運用委員会の委員も務めていた。
  しかし、STAP細胞の論文問題が浮上すると、論文共著者の笹井氏も対応に追われ、運用委員会も事実上ストップ。理研によると、今年2~3月、各地にある理研の研究者を対象に推進棟で実施するプロジェクト案を募集したが、5件にとどまった。関係者によると、これまでは論文問題の余波で動きがとれなかったが、秋にはセンターの研究者に提案してもらうことにしているという。
  CDBの竹市雅俊センター長は、笹井氏が自殺した5日、報道陣に「今、CDBでやっている多くのアイデアは笹井さんによってつくられた」と述べ、笹井氏の死の影響の大きさを強調。別の理研関係者も「笹井さんの研究や手腕がなければ、そもそも成り立たない事業。先導役を失い、当分は前に進まないのではないか」と不安を口にした。

これ『“笹井ビル”行く末は…神戸市「医療都市構想」に影、「先導役」失い』と題した産経新聞 8月7日(木)14時56分の配信記事である。

 しかし、驚きだ。たった1人の研究者の個人商店と同じである。その研究者に何100億もの予算が投じられている。我々国民の知らないところでの話だ。このSTAP細胞問題が起きなければ、決して露見しない役所の深部を見る思いである。
 これでは、今我々国民の生活の糧である国そのものの存在や、国民1人1人の生活保障云々とは次元が余りにも違い過ぎる。やはり役人の考えは国民生活とは余りにも違い過ぎる。官僚・役人・政治家とは所詮そんなものなのか。これでは国の将来、行く末を論じられるのか。私は解らなくなって来た。
 ※参考までだが、公開されている理化学研究所の概略を別紙に紹介する。
 
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