いかなる事態にあっても国民の命と平和な暮らしは守り抜く。内閣総理大臣である私にはその大きな責任がある。その覚悟のもと、新しい安全保障法制の整備のための基本方針を閣議決定した。自民党、公明党の連立与党が濃密な協議を積み重ねてきた結果だ。
抽象的、観念的な議論ではなく、現実に起こり得る事態で現行憲法のもとで何をなすべきかという議論だ。
例えば、海外で突然紛争が発生し、そこから逃げようとする日本人を、米国が救助、輸送している時、日本近海で攻撃を受けるかもしれない。わが国への攻撃ではないが、日本人の命を守るため、自衛隊が米国の船を守れるようにするのが今回の閣議決定だ。
日本国憲法が、こうしたときに国民の命を守る責任を放棄せよと言っているとは私には思えない。この思いを与党と共有し、決定した。
ただし、こうした行動を取る場合でも、他に手段がないときに限られ、必要最小限度でなければならない。憲法解釈の基本的考えは変わることはない。
むしろ万全の備えが、日本に戦争を仕掛けようとするたくらみをくじく大きな力を持つ。それが抑止力だ。
今回の閣議決定で、日本が戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなっていく。日本が再び戦争をする国になるというようなことは断じてあり得ない。
閣議決定を踏まえ、関連法案の作成チームを立ち上げ、国民の命と平和な暮らしを守るため直ちに作業を開始したい。国会に法案を提出し、審議いただきたい。私は今後とも丁寧に説明を行いながら、国民の理解を得る努力を続けていく。
<質疑>
今回の閣議決定は、日本の国防政策の大きな転換だ。首相は日本をどのような国にしていく展望を持っているか。
◆わが国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、国民の命と平和な暮らしを守るために何をなすべきか。その観点から、新たな安全保障法制の整備のための基本方針を示すものだ。憲法が掲げる平和主義は守り抜いていく。今回の閣議決定は、日本が戦後一貫して歩んできた平和国家の歩みをさらに力強くすると考えている。
昨日の日曜日のNHK日曜討論でもこの問題取り上げていたが、要は安倍晋三の居る内の問題である。そんなにめくじらをと言うのが私の考えだ。安倍晋三が改憲せずに解釈の変更に留めたところが変て言えば変である。確かに国の外交と自衛にはタイムラグは許されない。だからこその現在の外交と国防の確認の処置なのかも知れない。しかし、今回憲法第九条を改めた訳ではないのである。この権力者安倍晋三の居る内の考えなのである。国内的にはそう問題は無いのかも知れない。内閣が変わればまた変わるからである。ただ困るのはこの現在と今後の内閣の閣僚たちであろう。何故なら国会での野党にこの件の集中質問の答弁である。現在は殆ど安倍晋三の答弁で他の閣僚の発言は無いと言ってもよいくらい増え、他閣僚は質問を回避する事だろう。問題は対外的な日本の立場である。継続的に考えればとんでもない事をやらかした感じであり、米国を除いての他国は恐らく身がまえた事だろう。決して我が国にとってのメリットは何一つなかったと言って良い。唯一喜んだのは米国だけだ。安倍晋三はそれほどまでにオバマ米国に媚を売りたかったのか。それほど嫌われていたと思っていたのか。
彼がそれを選択した事によって、防衛省の内輪がガラッと変わってしまった。これが今後の我が国の自衛組織に一石を投じてしまった事を安倍晋三はまだ気づいていない。可哀そうな男ではある。