沖縄返還交渉の生き証人の言葉で解かった、沖縄は常に政治決着の道具だった

 日米間の沖縄返還交渉に米政府高官として深く関わったモートン・ハルペリン氏(75)がこのほど来日し、朝日新聞のインタビューに応じた。1972年の返還後まもなく、日米で米軍基地削減の協議が始まると考えていたといい、現状について「基地が多すぎる」と批判的な見方を示した。沖縄は15日、返還から42年を迎える。
 ハルペリン氏が沖縄を初めて訪れたのは、返還交渉が本格化した67年。ヘリで沖縄全土を視察した。「当時、米軍は『沖縄に基地があるのではない、沖縄そのものが基地だ。住民は基地の上に住むかわいそうな人たち』との認識だった。世界中でそんな島は他にない」と振り返る。
 返還交渉では、スムーズに返還を進めることを優先し、「日米とも、将来の基地削減を話題にしなかった」。一方で「返還完了から2、3年後、自分たちの後継者が沖縄の基地削減に向けた協議を始めるだろうと想定し、期待していた」という。「返還から長年たつのに、今も多くの基地が残っていることは驚きだ。規模が大きすぎる」
 削減を期待したのは、米軍が戦中戦後、住宅地や田畑を取りあげ、基地を建設した経緯を知っているためだ。「住民を考慮せずに置いた基地だと我々もわかっていた。住民は不運にも(沖縄という)基地に住んでいるのだ」
 ハルペリン氏は60年代、米政府に入る前に防衛を専門とする日本の識者らから「沖縄の無期限の占領は受け入れ難い」と聞いた。彼らは「1970年問題」があると指摘したという。この年から日米安保条約は、日米いずれかが1年前に事前通告すれば失効する形に切り替わるためだった。
 識者らは「70年までに沖縄返還が合意されなければ、日本には60年安保のデモが小規模に見えるほどの(安保失効を求める)危機的状況が起こるだろう」と話し、ハルペリン氏も懸念を抱いた。このため、「国防総省に入り、実現したいことのリストの上位に沖縄返還を入れた」という。

 日米は69年11月に沖縄返還で合意。共同声明には沖縄にあったとされる「核兵器の撤去」が事実上盛り込まれたが、当時の佐藤栄作首相とニクソン大統領は「有事の際の再持ち込み」の密約を交わしていたことが明らかになっている。
 ハルペリン氏は合意の2カ月前に米政府を離れたが、「密約は結ばれたと思っていた。(自分が米政府にいたときに)大統領は決めていた」。
 密約は必要だったのか。「私は必要だったと思う。再持ち込みが担保されなければ軍部は返還に反対しただろうし、日本は再持ち込みの容認を公にはできなかったからだ」
 返還交渉には「良好な日米関係のため、熱意を持って取り組んだ」と話す。だが、海兵隊が駐留する普天間飛行場宜野湾市)の移設をはじめ、基地の問題は未解決のままだ。
 米国にとって、沖縄の海兵隊は不可欠なのか。
 「日本政府が『海兵隊にいてほしくない』と考えれば、米国は別の方法で部隊を展開させることは可能だし、実行するだろう。日本が基地削減を求めることを制限する密約などは存在しない」
 安倍晋三首相がめざす集団的自衛権の行使容認についても持論を語った。「米国は歓迎するだろう。日米安保条約は日本が米国を保護せず不平等だとみる向きが米国内にはある」とした上で、こう指摘した。
 「国家主義的な動きの中で決めるのではなく、国民や近隣諸国のきちんとした合意、納得を得た上で進めてほしい。戦時中の責任を認めることを考えるべきだ。従軍慰安婦の件など、現在の日本政府は過去を受け入れる態度から遠ざかっている」(奥村智司)

これ『沖縄の米軍基地「多すぎる」 返還時の米高官が批判』と題した朝日デジタル5月15日10:32の報道記事である。

 私はやっぱりなと素直に理解した。私は今までこの沖縄基地の批判はタブーだったから書けなかったが、この方が言ってくれたお蔭でなんとなく楽になった。沖縄県の人々はさぞ言い難い苦しみを返還以来受けて来たものと察する。がしかし、政治決着の裏にはどうしても避けられれない現実もあった事も私は聞いている。そもそもこの記事にあるように、米国はこの記事にもあるように、決して沖縄基地何としても必要との感覚ではなかった。安保条約はあるが、5分5分でない、一方的に米国に不利なその条約に基づくこの基地、それに金のかかるこの基地をそんなに必要としてたとは、私は思っていなかった。極東の睨みにこんなに高い代償の基地必要なかった。そう言ってしまえば、返還以来の沖縄はじゃあ何だったんだとなってしまう。だからこそ日本人にはこの問題はタブーだったのである。過去現在において沖縄は好むと好まざるとに拘らず、政治の道具にされて来たのである。それに沖縄経済界は乗ったのである。私は沖縄基地云々では無く、日米安全保障条約そのものが不要と思っている1人である。現在までの日米安全保障条約は何も日本ばかりが守られて来たのでは無い。それなりに米国はメリットを享受してきたのである。もう良いではないかと言いたい。私は現在の核戦争においては現在の各国のいや地球上のすべての国の国防費ほどムダなのは無いと思っているし、現在での核ボタン戦争では100%戦争は起きないと言えるからである。今起きているクリミアの情勢だってこれは単なる民族紛争である。日本みたいな島国においては、多民族国家でないから当然にそのような争いは無い。が、しかし地続きの国においてはあり得るかもしれないが、民族を懸けた国を懸けた全員の殺し合いは核ボタン戦争では有り得ないと私は思っている。