カンブリア宮殿で見たタクシー会社に感動、どうしてこのような発想の転換、政治家には出来ないのか

 昨日の休日、録画していた日経スペシャカンブリア宮殿で 『「30分待っても乗りたい」 驚異のリピート率90%“幸せ”サービスで客の圧倒的支持を集める 長野発タクシー革命!』を見たホストの村上龍ではないが、正直涙が出るくらい感動した。
 私は以前よりテレビ東京『経済ドキュメンタリードラマ ルビコンの決断』を愛聴してた関係でこの日経スペシャカンブリア宮殿も同じ意味で大好きな番組である。だが私の田舎ではテレビ東京見れない、ある民放が何ヶ月遅れで放送してくれるから見れるようなものである。表題のこの番組は7月25日に放送されらしい。見ていなかった人のために概略を説明すれば、以下になる。
 
テーマ「1時間待っても乗りたい。幸せになれるタクシー会社(幸せタクシー長野の中央タクシーの家族同様のサービス)」
社名:中央タクシー
設立日:1975年7月22日
本社:長野県長野市若穂保科265
売上高:14億7千万円(2012年9月期)
従業員:206人(乗務員165人)
車両数:109台
この中央タクシーの売り上げは9割が電話予約で、いわゆる流しでお客をつかまえるやり方では無い。だから何時間も待つ無駄な駅前には並ばない。
長野市民から圧倒的な支持を得て、売り上げは県内ナンバーワン。地方のタクシー会社の9割が赤字経営の中で、この会社は2012年度に過去最高の利益を記録しました。
その業績がすごいのでは無い。
凄いのは、この中央タクシーのドライバーなのである。
親切すぎるほど親切。
雨の日には傘も差す。
高齢者にはさっと手を貸し、さりげなく買い物袋を運び、そして、車内の会話を通して客の家族のことを気にかける。
そしてなんと300メートルという徒歩圏でも喜んで運行するそうなのである。
会社の指示: 1.雨の日には傘を挿してあげる。
  2.ドアサービス。
  3.乗車時の自己紹介。
  その他は自己サービスである。
本社は市内でも辺鄙なところにあり、建物はプレハブ造りである。(理由は安いから。また本社は稼ぎの効果無いからだそうである)
【中央タクシー憲章全文 】
 我々は長野市民の市民生活にとって必要不可欠であり、さらに交通弱者・高齢者にとってなくてはならない存在となる。
 私たちが接することによって「生きる勇気」が湧き「幸せ」を感じ「親切」の素晴らしさを知って下さる多くの方々がいらっしゃる。私たちは、お客様にとっていつまでもこのうえなくなくてはならない人として在り続けこの人がいてくれて本当に助かりますと思わず涙とともに喜んでいただける。我社はそんな人々によってのみ構成されている会社です。
この会社は社員どおしの連携性を重視する。そのために社内の雰囲気作りに気を配る。
何故社内の雰囲気が重要なのかと言えば、常に仕事上で監視されてないため上下横の連帯性を重視するためのコミニケーション作るため。そしてハートフルカードを設置した。昔情報カードと呼ばれている社内コミニケーションカードである。
今日あった事を事細かに書いている。1つの情報カードである。それが会社の玄関横のみんなの目に留まるところに貼ってあり何時でも誰でも自由に見れる。

宇都宮恒久会長の言葉
仕事を通してお客様の人生を守る。
求人は未経験に限るは、経験者だとこの業界の垢がついているとの理由から。経験者だと教育効果が出ないからとの理由。
全て「お客様が先」「利益は後」
商売の計画は実行する事であり、諦めた瞬間に失敗となり、諦めなければ失敗はしてない事になる。
何事も執念を持ってやっている内は失敗じゃ無い。

新しい観光事業
ピンポーン「お迎えに参りました」
「家からの旅」
2009年スタート、日帰り観光、自宅に送り迎え、運転手自身が企画し、ガイドもする。昼食つきで1万円/日である。
空港便の開発
成田までの310kmを家庭的サービスをして5時間で9000円。
新幹線を利用して成田EXPressで3時間で10,376円である、しかも自宅から重い荷物を持ち、乗り換え成田までと比べても、自宅から荷物を持ってもらい、乗り換え無しである。時間と金額は高いが、利用者が増えてる事考えれば解かろうと言うもの。お年寄りにはこの上無い最高の交通手段である。リピーターが増えているのを納得。
この空港便、1日平均40便、年間利用者9万人。

 
 とまあ活字にすれば以上になる。私は見てて本当に感動して心が躍ってしまった。ホスト役の村上龍とホステス役の小池栄子も同じみたいだった。
 私はこの番組を見て、人間いくらでも発想の転換すればこう言う事出来る事を教わったが誰にでも出来る事では無い事も同時に教わった。私は考えた。何故に政治の世界でこのようなしがらみの無い発想の転換出来る政治家が出ないのか。思えば4年前の政権交代がそれに近いと思ったのだが、残念である。そんなこんな考えてる内に、政府の消費増税の消費税率引き上げの是非論の「集中点検会合」の会合が何故か空しく思えて、折角の感動が帳消しにされてしまった、この情けない気持ち。残念至極である。