<降圧剤論文>に製薬会社社員関与、こんなの日常茶飯事である

 降圧剤「バルサルタン」を巡る臨床試験に、製薬会社「ノバルティスファーマ」(東京)の社員が関与していた問題で22日、同社が社内調査結果を明らかにした。社員が関与したことについて「臨床試験結果に疑念を生じさせることになった。不適切だった」と謝罪した。上司もこの社員を支援していたことが分かったが、組織ぐるみだったかは「確認できなかった」とした。
 取材に明らかにした。今回の調査は、スイス本社が4月に始めたものとは別に、日本法人が京都府医大のチームによる論文が撤回された2月ごろに開始。社員らから聞き取った。大学の研究者は対象にしておらず、試験データの精査もしていない。結果は22日に日本医学会、日本循環器学会などに報告した。
 社員は、▽京都府医大東京慈恵会医大▽滋賀医大千葉大▽名古屋大の5大学による薬の効果を検証する試験に関与し、複数でデータ解析にかかわっていた。「試験ごとに関与の仕方は違った」というが、詳細は明らかにしなかった。「意図的なデータの操作や改ざんに導いたことを示す証拠は見つからない」とした。
 複数の社員が「企業の社員でも(大阪市立大の非常勤講師という)研究者としての肩書で臨床研究を支援するなら、問題は生じないと信じていた」などと説明したという。
 2月の記者会見で当時の三谷宏幸社長(現最高顧問)は「試験は医師主導で、我々は一切試験に関与していない」と述べていたが、同社は「事実と相違していた。訂正しおわびしたい」とした。
 この社員は今月15日付で退職。同社は「契約が切れたためで、今回の問題とは無関係」と説明した。【八田浩輔、河内敏康】
 

毎日新聞の報道である。

 
 最近の医療費高騰の余波が熾烈を極めて来た。国民向けに行政がムダ排除を叫ぶ裏に、製薬会社の苦悩が垣間見える。
 その製薬会社の営業マン、いわゆるプロパーと呼ばれる先頭社員は、病院の先生に自社の薬を使いさせるべく、早くから病院に張り付き、医師に風俗のポン引きよろしく、あれやこれやの食い込みを仕掛ける。それはそれは凄いものであると聞いている。その結果が、臨床研究の隠れ代理である。テレビドラマの「白い巨塔」そのものである。科学者の中でもこの医学会がその縦社会が顕著である。教授と言う者殆んど仕事せず、部下にまかせっきりであり、研究論文でさえも自分では書かず、殆んどか部下が書く。その部下も外注よろしくまたもや部下にさせる。こうして行き着くのが、その研究費用を工面して来た製薬会社に回ってくるのである。製薬会社は殆んどが開発費である。先行投資なのである。しかし、一度(ひとたび)その開発した薬がヒットするや、打ち出の小槌となる。だからこそ多少の出費である、臨床研究論文の代理は労わないのである。これが医療界の常識でもあり実態でもある。だから前記の記事等は、正に氷山の一角でありまたそれが日常茶飯事でもあるのである。