今回の選挙自民党の大勝で終わった。反対に民主党はその存在感さえ示せずに大惨敗を決した。今までに無い選挙と言えよう。私はその結果を総括すべくデータを収集しようとしてたら下記に示すような産経新聞の記事に出会った。私が総括するまでも無くこの記事が全てを物語っていたので紹介したい。
以下が記事である。
自民党が294議席を獲得し、平成17年の郵政選挙以来の大勝となった衆院選。小選挙区比例代表並立制導入以降、最多の12党が乱立した影響を受け、立候補者数は現憲法下で最多の1504人に上った。だが、選挙戦は盛り上がりを見せず、投票率は59.32%と戦後最低。「第三極」は有権者の大きな受け皿にならなかった。4日の公示日には、日本未来の党の比例立候補者名簿の届け出が大幅に遅れ、総務省の審査作業が深夜にもつれ込むなど、空前絶後のお粗末ぶりが浮き彫りになった選挙でもあった。
■誤植のオンパレード
「第三極」の選挙事務のずさんさはすさまじかった。日本維新の会の場合、マスコミ各社に配布した「公認候補者リスト」の名前や読み仮名、年齢、誕生日、肩書、連絡先の電話番号、男女の区別などで誤植が頻繁にみつかった。新聞各社は政党が立候補予定者名簿を発表したらすぐに報道するのが通例だが、公平中正を旨とし記録性が高い選挙報道では、日常的な一般原稿以上に間違いは厳禁。このため、担当記者らは党の公式資料が本当に正しいのかどうかの裏取り作業に躍起とならざるを得なかった。
後に日本未来の党に合流した国民の生活が第一の第3次公認発表資料の立候補者名にも誤植があった。同党は日本維新の会ほど疑いの目が向けられていなかったためか、11月27日付の新聞各紙(東京本社発行の最終版)などをみると、複数の大手新聞社や通信社が名前を間違えたままだった。
「超短命政党」も続出した。亀井静香前国民新党代表や山田正彦元農林水産相らが結成した「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」は11月26日、第1次公認として計20人を発表した。だが、総務相に政党結成を届け出ることもなく、同省の事前説明会にも「減税日本」として出席。翌27日には日本未来の党への合流を決めた。
太陽の党は11月13日、たちあがれ日本からの党名変更などを総務相に届け出て結党した。その後、石原慎太郎元東京都知事は減税日本を吸収合併する方針を明らかにしたが、16日には日本維新の会への合流が決まり、減税日本とは離れ離れに。太陽の党は「3日政党」で終わった。大同団結が至上命題だったとはいえ、これほど短命な政党は類を見ない。「第三極」の離合集散は、猫の目のようにめまぐるしかった。
日本維新の会は、発表直後に選挙区を変えたり、公示日に立候補予定者が出馬を辞退したりと迷走を続けた。突然の衆院解散で準備期間が短かったとはいえ、今回ほど「政党」の信頼性が揺らいだ選挙はなかったのではないか。
■グレーな届け出
公示日の12月4日午前、比例代表全国11ブロックの届け出作業が総務省で行われたが、担当記者からは悲鳴のような声が漏れた。比例代表に立候補する政党は、事務的な審査を公示日の前日までに終了させ、届け出作業は公示日の朝早くに済ませるのが常識だが、日本未来の党の関係者は全然姿を見せなかった。
結局、午後になって北陸信越ブロックなどいくつかの名簿を提出。締めきり時間となる午後5時、会場のドアが閉まろうとしたときに数人の事務担当者が滑り込む始末だった。
審査の途中では、東北、中国、四国の3ブロックの名簿が見当たらず騒動になり、午後5時45分に森裕子副代表が会場に入ってからしばらくすると、3ブロックの名簿が発見される一幕もあった。総務省は「法に従って受け付けた」と強調するが、締めきり時間終了後に名簿が持ち込まれた疑惑は拭いがたい。
公職選挙法270条は「届出は午前8時30分から午後5時までの間にしなければならない」と定めているが、未来の全ブロックの届け出手続きが完了したのは午後10時半ごろ。中国、四国、九州ブロックの名簿は全て手書きで書かれており、混乱ぶりを象徴していた。
未来のずさんさが群を抜いていたために目立たなかったが、自民党の対応も褒められたものではなかった。公示日の午前に比例代表近畿ブロックの届け出作業を済ませた後、同ブロック単独39位だった泉原保二氏を四国ブロック単独14位に変更する異例の措置をとった。
結局、自民党は四国ブロック管内の選挙区で大勝。重複立候補の比例復活当選者は1人にとどまったため、泉原氏は「国替え効果」で当選を果たした。
■不平等な比例順位
現行の選挙制度における比例代表選は、選挙区で敗れた重複立候補者の敗者復活戦の場となっているのが実情で、自民党や民主党は原則的に重複立候補者を同列の1位とし、選挙区における惜敗率が高かった人を復活当選できるようにしている。この制度に対する批判は根強いものの、重複立候補者が同じ順位に並んでいる限り、競争条件はフェアとなる。
だが、日本維新の会は、国会議員経験者を中心に民主党、みんなの党、太陽の党から合流した立候補者らを比例上位で優遇しており、不公平感が拭えなかった。日本維新の会が比例代表選である程度健闘することは当初から予測されており、立候補した時点で事実上、当選が保障されていたわけだ。以下、優遇された立候補者を敬称略で抜粋するとこうなる。
以上の14人はいずれも比例代表選出議員として当選した。ただ、重複立候補者をみると、7人全員が選挙区では落選。上野氏(北関東ブロック1位)、山田氏(東京ブロック3位)や今井氏(東海ブロック2位)は選挙区での惜敗率が相対的に高くなく、比例順位で優遇されていなければ復活当選できなかった算段だ。
もちろん、政党が特定の立候補者の登載順位をどう扱おうと自由だし、制度上は何の問題もない。公明党や共産党といった組織政党では常識化している。だが、日本維新の会が二大政党に比肩する国民政党を目指すのであれば、この対応は疑問だ。自腹を切って汗水流した選挙区立候補者の新人の大半を捨て駒として扱ったようにさえ見えてしまう。
《われわれの信用はわれわれの財産のひとつである》
18世紀のフランスのエッセイスト、ジョセフ・ジュベールはこんな言葉を残したそうだ。
今回の衆院選で「第三極」が伸び悩んだのは、「小選挙区制を中心とした現行の選挙制度で政党が乱立したために共倒れになった」と解説されている。確かにその通りだろうが、根底には、粗雑な対応で有権者の信頼感を得られなかったことがあるのではないか。(小田博士)
◇…先週の永田町語録…◇
(17日)
▽ぶれる
▽不一致
▽仲間いない
▽反省点
(19日)
▽ごたごたではない
▽地獄を見た政治家
菅義偉自民党幹事長代行 自民党の安倍晋三総裁は、ある意味で地獄を見た政治家だ。前回は、あれだけ期待されて首相になったが、途中で病気になり国民に迷惑を掛けた。本人はこのことを常に意識し政治をやると思う。(都内での講演で)
(20日)
▽現実にしてしまった
▽えらいことになる
(21日)
▽国の宝
▽国民の目