政治におけるキャッシュフローのススメ

 のっけから私事で失礼であるが、私は元々理系である。それがどう言う訳か父の会社を継いでから経理と簿記を勉強したら、すっかり文系になったような気がするが、経理と簿記は昔から文系と言われているが、私はそれは理系の分野ではと思うようになったのである。経理と簿記の基本である借り方及び貸し方の原理を見れば、数学の自然科学に近く正に理系そのものである。数式、数学の基本は検算を抜きに考えられないがこの経理・簿記は、複式簿記をやってる限り、検算は必要なく、振替そのものが検算であり算式である。つまり色んな金の動きに対して、流動資産の直接動く金の残高をチェックし、それが実際の現預金の数と照らして合っていれば全て合っているのである。この仕組みは正にノーベル賞ものであると私は思っている。
 
 さて前置きはこれくらいにして本題に入れば、この経理を利用した資産と負債の対比である所謂バランスシートを国政に利用すれば、かなり理屈では用を足せるのである事を読者はご存じか。それが表題のキャッシュフローのススメである。
 
 そもそもキャッシュフローとは何ぞや、と問われれば、それは家計簿の出納帳と同じ現金出納帳の事である。読者の皆さんは現金出納帳の残高0になれば、現金が枯渇した事はお解かりと思う。ここで借金をして現金を得れば、現金出納帳の残高はその借金の金額だけ増え使う事が出来る。つまり借金は増えたが、現金も増え使えるようになった訳である。バランスシート上では左の借り方の現金が増え、同じく借金の借入金としてその同じ金額が貸し方の借入金として増え右も左も同じく増えバランスが保たれたのである。だからこれをバランスシートと言うのである。これを国政に利用すれば、国の持っている資産を金に換えれば、自ずと使える金が捻出されるのである。簡単に言えば、眠っている日本国が持っている資産を金に換えれば消費税の増税分が賄える勘定にもなるのである。
 経済的影響を考えなければ、歳入増として例えば、日本が持っている米国の国債を単純に売って金に換えれば賄える事にもなるのである。日本人が持っているタンス預金を当てにして、国有地を安く売って金に換えても同じ事が言えるのである。また、歳出減を考えれば、民間で言う子会社にあたる独立法人を、合理化するつもりで売って金に換えても良いのであるし、一石二鳥にもなる。また、後進国にプライドを吹かせている開発援助(ODA)を止めるか、1~2年繰り延べすればかなりの出費を抑える事が出来るのである。
 
 何故に私が延々とこんな事を言うのかと言えば、ただ単純に安易に楽な方法の消費税を上げれば済むと言う官僚的考え方の前に、もっと真剣に頭をひねって、それこそ有効な方法を考えれば色々あると言う事であり、国民にお願いする、消費増税はそれこそ最後の最後だと言う事を言いたかった訳である。何卒ご理解をお願いしたいものである。