京大元教授の収賄容疑 予算主義がもたらした弊害

 京都大大学院薬学研究科の元教授による不正経理疑惑で、東京地検特捜部は31日、物品発注をめぐり便宜を図った見返りに、飲食代など約620万円の賄賂を受け取った疑いが強まったとして、収賄容疑で元教授辻本豪三容疑者(59)を逮捕し、贈賄容疑で医療・理化学機器卸会社「メド城取」(東京都世田谷区、民事再生手続き中)社長の木口啓司容疑者(62)ら2人を逮捕した。
 辻本容疑者は、実際には物品を納入していないのに納入したように装った書類を作成させ、支払った研究費を同社に管理させる「預け金」をしていたが、特捜部は預け金とは別の資金が同容疑者に提供されており、賄賂に当たると判断した。
 他に逮捕されたのは、同社の元営業部部長上田真司容疑者(53)。
 逮捕容疑では、辻本容疑者は、物品受注への便宜に対する謝礼として、2007~11年、木口容疑者から受け取ったメド城取名義のクレジットカードを使い、飲食代など約476万円を肩代わりさせた疑い。また、09~11年には、辻本容疑者と家族の3回分の海外旅行代金として、約146万円を肩代わりさせた疑いが持たれている。(2012/07/31-13:36)
 
 
時事通信の記事である。

 
 
 私はこんなの記事になるのかと正直ビックリしている。だって、理解してない人には悪いが、このような事どこでもやってる事で今更と思っていたからだ。
 私は民間だからこんな事しなくても、その時々に処理すればよいから、そんなまどろっこしい事しなくても、要はそれだけの費用出せるかどうかの問題だからである。
 しかし、公共の自治体や大学を含めた教育機関は、要するにお役所と言える所は、完全なる予算主義だから起こる弊害でもある訳だ。
 私はこの世の役所と言われる中で、このような事の一番起こり得る役所は、どりらかと言えば世に言う堅いお役所に多い。例えるなら、警察、それに教育関係部署である。平たく言えば、お巡りさんに先生方達である。何故か、普段から堅く、何でも理屈に合わせるところだから、他人に言われたくないから、言われないように捏造してしまうのである。ところが、堅い反面もろいところがあって、すぐバレるような事平気でする悪いクセがある。だから巷ではこう言う種類の人間を、国民の常識彼らの非常識と言ってるのである。
 これについては私が経験した面白い話がある。少し長文になるが、お付き合い頂きたい。
 今から40年も前の話だから、もう時効だから良いと思うので話すが、他言無用の事(笑い)としてもらいたい。
 
 私が今の会社(今は私がやってるが当時は父親の会社だった)に入って間もない頃の事であった。一通の指名通知が会社に舞い込んだ。見ると、某県警本庁総務部総務課からだった。某市某町の派出所新築工事の指名の通知だった。建設地は温泉街にあるため、普通の派出所とは違い、温泉風呂のある豪勢な派出所だった。当時は当社では建築の人間私を含めて2~3人しか居ず、社長である父より今回お前が行けと相成った。
 それからと言うもの、積算するためとにかく頑張った。
 当時建設は高度成長の真っ最中、あまりに工事があるため、入札を欠席してた時代である。今なら考えられないが、入札に行けば落札させられるので欠席してたのである。もちろん、入札前に談合でほとんど決まってたからその人間だけ行けば良かった。この派出所新築工事もすんなり当社に決まっていた。入札価格は発注当局で教えてくれたから、何も難儀もしなくて良かった。だが私は違った、当時の社長の息子でもあり、それに今大学の建築学科を卒業したばかりで、違うところを見せたかったのかも知れない。私はねじり鉢巻きで、積算をした。そして県庁の隣の本庁の会議室で、札を入れたのであるが、3回入札をしても予定価格に達せず、不落と相成ってしまった。私は焦った。メンツ丸つぶれである。そこで恥を忍んで、何とか価格には応じるので、随意契約にしてもらえないかと食い下がった結果認められ、何とか事無きを得たから受注出来たのであった。そこからがこの本質論である。
 後日、落札の挨拶に、出先の警察署に出向いたら、にこやかに何を言ったと思います。
その係官手もみしながら、出先の庁舎内で臆びれずに、何だ××さん(もちろん私の名前、そしてこの係官も当然知り合いである)どうしたの、札入れ前に来てくれれば価格教えたのにと大きな声で言うでは無いか、私は悪い事していなかったが、バツが悪くそこを早々に退散した。これが当時の警察官の姿なのである。ところがこの話には後日談がある。この工事無事完成したので完成検査後、この係官に挨拶に行ったらニッコリとされて、では近いうちに竣工式をやらなくてはと言われ、後で打ち合わせをしたいとの事。こちらとしてはまだ何も解らない私としては、表彰式もやり、当社を表彰したいとの事、私は素直に喜んだ。だって詳しく聞けば、記念品もくれると言う。こんな事良いのかとも思った。(今だったら、こんな時勢丁重にお断りする筈だが、当時まだ学生気分も抜けない無垢な私であったため)しかし、その後がいけなかった。当日物入りになるので、前もってのし袋に?円入れてお願いしますと、片手を出して言ったのである。(のし袋にすれば領収書いらないからと言われた)何も知らない私は単純に片手だから5万円と思っていたら、桁が1つ違った。どうしてそんなにと何も解からない私は、係官にどんな事をやるのですかと聞いたら、式の後に直会をやるし、そして2次会、3次会を含むとそのくらい必要となるとまで言われた。驚いた事に実際やったら出先の職員は皆来るし、3次会終わったら、夜も白々翌日朝だった。それに2次会、3次会の費用はそののし袋からで無く、当社の財布から改めて出ていった。要するに無垢だった私が1本取られたのである。お蔭様で、そのように鍛えられたせいか、今ではそれらを前もって打ち合わせ無しに、演じられるようにもなった次第である。
 とにかく一事が万事警察の方々、呑む事にかけては、仕事以上の働きである。可笑しいのは、後日警察署に伺っても、あれほど膝を突き合わせて呑んだ仲(呑ませた私だけがそう思っている)の方々、廊下であっても、何事も無かったように、他人のように振る舞う様は、私には異常人種に思えた。これが役人なのである。
 
 話を記事の京大元教授の収賄容疑に戻せば、前に何度も書いたが、殆どの役所で金額の大小別にすれば多かれ少なかれどこんの役所でも殆どやってる事は確かである。何故このような事が起こるのか、前例を好む役人が前例より少なければ、今後も少なくて良いと思ってしまう、その考え方である。これが役人の凝り固まった長年染みついた悪い考え方なのである。だから余っても返さないし、次年度に増やしてもらいたいから、使った事にして、仕入れ業者に預け金としてプールし後日使うのである。
 我々民間は余ったのなら足りなかった、部・課に回すが、役人にはその考えは一切無いのである。だからこそ支出は増えるこそすれ決して減らないのである。
 だから我々が口を酸っぱくして、収入を上げる前に、支出を見直し、経費節減と言ってもこのような事だから、理解出来ないのか、解かろうとしないのか解からないが、これも役人である。
 ここのところの「消費増税の法案」に関して言えば、単純に収入を増やせばと言う考え方そのものである。小沢さんが言ってる、その前にやる事があるだろうと言う、単に収入だけを上げれば全て解決するような事では無く、痛みを分かち合うためにも、収入増の前に出来る事からする、支出減の所謂経費節減に真剣に取り組む考えは以上の観点からも官僚・役人・公務員には無いのかも知れないが、やろうとする努力だけはやって出来ない事ではないと私は思っているのだが、この元大学教授の収賄容疑、これ全て役所の考え方の縮図と思われる。
 救えないのは、この元教授、恐らく犯罪意識ゼロでは無いのか、何で俺だけが、皆やってて何で俺だけがと思っているその事が犯罪の土壌とすら気づいていない悲劇、いつになったら解かる時が来るのだろうか。それに気付いた時に、我が日本経済が立ち直っていると思われる。