小沢新党立ち上げに見る、他党議員先生方の金の疎さ

無題 #政界
　消費増税法案は、衆議院で民主、自民、公明3党の多数で可決されたが、民主党から反対57人、棄権・欠席16人の73人という大量造反者が出、民主党は事実上の分裂状態に陥った。民主党分裂で注目されたのが、200億円以上の党資金の分配問題と「小沢新党」の資金繰りだ。
　消費税法案の採決の日には、自民、民主の増税派幹部から小沢氏の資金難説が流された。
　自民党の首相経験者は、「小沢には前ほどカネがない」と造反が広がらないという見方を示し、野田首相側近議員は、「小沢新党に大きな支援団体はつかない。日本医師会だって小沢さんのことは大嫌いだし、現在の社会保障改革を進めてもらいたいと思っている」と吹聴して回った。
　民主党の前原誠司・政調会長は採決後の記者とのオフ懇で、「ストック（資産）はあってもフローがないんじゃないか」と語っている。まさに離党者を減らすための情報戦だった。
　しかし、小沢氏は資金の心配はしていないようだ。政治資金収支報告書によると、小沢氏の資金管理団体「陸山会」が所有する不動産だけで約8億円相当あるが、それ以外にも旧自由党の政治資金団体だった「改革国民会議」に約9億7400万円の資金を残している。
　小沢ブレーンで改革国民会議代表の平野貞夫・元参院議員はこう語る。
「改革国民会議の資金は国家・国民のために使うものだが、現段階では何も決まっていない。ただし、大メディアや評論家がいうように新党結成に1人1億円かかるというのは自民党政権時代の古い発想だ。党本部の事務費など最低限必要な経費はあるが、そんなにカネは必要ない。すでに増税法案に反対した議員たちに1人10万円を寄付したいという申し出があるという話も聞いている。小沢には多くの支援者がいるから選挙になればカンパが集まる。新党の資金は心配していない」
 
 
この報道、週刊ポスト2012年7月13日号の記事である。
 
 

　思うに、小沢を除く議員先生方は議員の金と言うもの、他人の事何だかんだ言ってるが、殆どそれこそ秘書任せで、知らないのではあるまいか。
　まず、その先生方、田中角栄と金丸信の政治の金で苦労した、小沢の爪の垢でも飲んでから言ってみたら良いと私は思っている。政治資金規正法はザル法とは言え、その何たるかを熟知してる小沢と秘書連中、議員と秘書の程度がまるで違う。他議員の政治資金の金の流れを表す帳簿書類、まず己のそれを、本人と秘書共々見てから言ったらどうだと、私は言いたいのである。だからと言って、小沢陸山会事件の小沢本人の秘書にまかせっきりをと言う言を私は、全て肯定をしてる訳では無い。
 
　今回の小沢の新党にかかる金は並大抵ではない事も解かって居る。だからこそ私が常々言っている「金は天下の回り物」である。
　政治に携わる関係者は、経理や帳簿に疎くて良い筈はないのである。特に今回のように新党を立ち上げる事は、世に言う会社を立ち上げる事に全くと言い程似ているのである。と言う事はそれなりに経理・帳簿には広く浅くの知識が必要になって来る。
 
　読者は、損益と、キャッシュフローご存知か。今回にある、小沢の資金の心配、小沢にとっては、本当にありがたいと思っている事だろうと私は感じている。（笑い）
 
　ここで簡単におさらいをすれば、損益とは、ある一定期間の、時間を区切った損得の結果であって、決してリアルタイムの資金の状況でない事はお分かりと思う。それに比しキャッシュフローとはそれこそ現在の金のある無しを如実に表す現金出納帳なのである。この残高が使える資金の金なのである。殆どの先生方は、それこそそれの解かる秘書でも抱えていない限り、解からないと言った方が正解である。
 
　つまり小沢一郎が今例え殆ど資金が零であっても、保全物件（解かり易く言えば現預金・動産・不動産を問わず、抵当に出せる物件）さえあれば、そして毎年１月１日現在の議員に応じた政党助成金が入ってくる見込みさえあれば、民間の銀行を含めた、全ての金融機関より、その金の上限までを条件として、いくらでも出せる筈であり、小沢にとっては来年の政党助成金を前倒しで使えるものと考えて良いのである。但し、損益的に見れば、現在より１２月３１日までの間の借入金と借入利息は損金勘定となるは必至である。しかし、現在のキャッシュフロー的には、現金出納帳に、その借入金の金額は残高として残るのである。これが経理の妙である。この損益の期間のズレ、つまり期ズレによって脱税が必ず横行するのである。逆説すれば、それらの原理を解かって居る者だけが、その税を逃れる事が出来るのである。
 
　私事で恐縮だが、私はここ２５年で２度ほど会社の税務調査を受けたが、追徴金を払った事は無い。逆に払い戻しを受ける事が出来たが、税理士と相談後、それを諦めた。何故なら何日も調査して、逆にお金を頂くのは、あまりにも調査員が可哀そうになったからである。これは私の唯一の自慢話である。
 
　話を戻そう。私が言いたいのは議員の先生たちの頭の中には、良し悪し別に政治の事と、女と、官僚にへいこらする事以外の、特に金のかかる事に対する経理的頭脳は皆無である事だけは確かである。こう言う解からない人種が国会議員なのである。官僚に笑われても仕方ないと言えよう。
 
　これが政治に携わる国会議員の先生方の程度である。「官僚政治」に立ち向かえる「国会議員」の先生方は、その本当に１握りと言って良い。これが現実である。