プロ野球昔の巨人軍の威厳はもう無い?

 巨人が逆指名制度で新人を獲得した際、12球団で申し合わせた「最高標準額」の1億5000万円(出来高払い含む)を超える契約金を支払ったと朝日新聞が15日付朝刊で報道した。これに対し、巨人は同日、朝日新聞社に抗議書を送付。桃井恒和球団社長(65)は「ルール違反ではない」と主張した上で、選手契約に関する内部資料が流出した件を重要視し、警察に相談していると明らかにした。さらに、野間口貴彦投手(28)には入団前に200万円を渡していたことも公表。名門球団に再び激震が走った。
 
※【写真で見る】200万円の小遣いをもらっていた野間口(この問題の記事は最後尾に)
 
 昨年11月に勃発(ぼっぱつ)した清武英利前球団代表と渡辺恒雄球団会長による“内輪もめ”から4カ月。開幕を前に今度は巨人対朝日新聞の戦争が始まった。開戦のきっかけは『巨人、6選手に契約金36億円』などの1面見出しとともに報じた、15日付の同紙朝刊記事だった。
 同紙は巨人が逆指名制度や自由獲得枠で獲得した6選手の契約金が球界で申し合わせた「最高標準額」を超えていたと報道。阿部が10億円、野間口は7億円、高橋由は6億5000万円など、6選手で総額は計36億円に達するとした。
 この報道を受けて巨人は午後1時過ぎ、朝日新聞社に対して抗議書を送ったと発表した。「各選手のプライバシーと名誉、当球団の名誉と営業上の秘密に関して極めて深刻な影響を及ぼす」と謝罪文掲載を求め、5日以内に誠意ある回答のない場合は法的措置を取ると強硬な態度を示した。
 これに対して朝日新聞広報部は「取材は球団の内部資料と複数の関係者の証言に基づく確かなものです」と反論のコメントを発表した。
 午後7時前、巨人は桃井球団社長と原沢球団代表が都内の球団事務所で報道陣に対応。同社長は「最高標準額は目安であって上限ではない。ルール違反は一切なかった」との主張を展開した上で、「朝日の記者が持ち歩いていた、いわゆる内部資料が少なからず流出していたことは確かだろう」との見解を示した。
 選手契約に関する最高機密文書の流出-。同社長は「契約書類は経理部長の金庫に厳重に保管している。それにアクセスできるのは経理部長以外に球団社長と球団代表」と説明。その上で「それ(内部資料)が外に出ているというのは、なんらかの違反行為的なことが行われたのではないかと疑いを持たざるをえない。この問題については警察にも相談している」と明かし、刑事事件にまで発展する可能性も出てきた。
 内部資料を流出させたのは誰か。清武前代表との法廷闘争の決着がつく前に、巨人は朝日新聞との新たな戦いに臨まざるをえなくなった。
 桃井社長が「ルール違反はなかった」と主張したとはいえ、そもそも「最高標準額」は契約金の高騰を防ぐために設けられた“目安”だったはず。それをはるかに超える金額が動いていることが明るみに出てしまった。しかもセ・パ同時開幕を2週間後に控えた時期に。プロ野球ファンの不信感はぬぐえないだろう。
 
※【写真で見る】200万円の小遣いをもらっていた野間口---の記事
 
 巨人・桃井恒和球団社長(65)は15日、野間口貴彦投手(28)が社会人のシダックスに在籍していた2004年に、総額約200万円の金銭を渡していた事実も明らかにした。
 同時期に明大・一場靖弘投手(現ヤクルト)が日本学生野球憲章に違反して「栄養費」などの名目で現金を受け取り問題になったが、社会人選手には当時は金銭授与禁止の明確な規則はなかった。同社長は「社会人は学生とは違う。違反では全くない」との見解を示した。
 一場問題では、複数の球団が金銭を渡していたことが発覚。巨人も一場に200万円を渡しており、当時の渡辺恒雄オーナー(現球団会長)、土井誠球団社長、三山秀昭球団代表ら球団トップが引責辞任する事態に発展した。05年6月に12球団が新人獲得に絡む不正防止策として「倫理行動宣言」を発表し、社会人を含めて一切の利益供与を禁じた。
 巨人は一場問題の調査で野間口への金銭授与も把握していたが、桃井球団社長は「(野間口は)日本学生憲章で禁じられている選手ではないので、(当時は)公表しなければいけないものでもないと判断した。今回(朝日新聞から)取材を受けたので申し上げておきます」と説明した。
 朝日新聞が入手した内部資料に、野間口への授与も記述されていたという。巨人の“過去”が次々と明るみに出てきた。
 
これどちらもサンケイスポーツの記事である。
 

 我々建設の業界では、それこそバブル以後のデフレ不況に苦しめられ、それまでの出来レースの談合受注がやりたくとも出来ない状況になってしまった。何故ならそう言う余裕と体力がなくなって来たからである。そもそもどうして談合が成り立っていたかと言えば、法的非合法であるからして、口での人間と人間の約束事を尊重していたし、皆それを守っていたからである。これは書いたものに残さないからこその業界の非合法憲法だったからに他ならない。私が何故今このような事を言うかと言うと、プロ野球もほぼ間違いなく我々の業界と良く似ているからである。非合法だからこそ守らなければならないのである。これが合法だったら、何かの理屈をつけて守らなくても良いからである。これを守れなければ生きて行けないのである。何故か、これを守れなければ、皆のいじめに合い、爪弾きされ業界では生きていけなくなってしまうからである。
 今回の巨人軍の取った行動は正にそれである。しかし、以前の権威のあった巨人軍であれば、こう言った事漏れなかったであろうが、ここ2~3年の凋落は目を覆うばかりである。
 金に物言わせ、他球団の4番打者や、エースを横取りし、そのために、ドラフトで指名した、将来性ある若者を潰してきたのである。これをプロ野球ファンや巨人ファンが見逃す筈も無い。だからの夜のゴールデンタイムからの締め出されと相なったのである。今の巨人軍なんて、誰も振り向きもしない。大リーグのイチローや松井に子供たちの夢が移ったのである。それに気付かず、未だに夢があり、「ジャイアンツ」と言えば子供も女の子も「キャーキャー」言ってくれるものと思っていた巨人軍の制服組の幹部達は、世界遺産に登録されても良い位アホだったと言わねばならないだろう。そう言う環境になっていたにも関わらず、未だに記事の様な事をし、それを「ルール違反ではない」と主張しているのを見ると、何をかいわんやである。
 このような世界では、書いて残さない、口約束を非合法の憲法と言い何にも勝る約束事なのである。これを破ったものは、表では立派でも、非合法社会では最低の人間なのである。これを守れなかった巨人軍は仲間内では人間と見なされなくなったのである。
 これが威厳の無くなった読売巨人軍の凋落の一因だと私は思っている。