好きな政治の回顧

 東京での学生生活から1971年(昭和46年)の春帰郷して実家の家業を継いでから早50年の半世紀が経った。今では後期高齢者となり、介護のお世話になる年齢となってしまった。その当時から政治に興味を持ち新聞等は第1面と第2面を中心に読む習慣が身についてしまった。当時の政治は政権を長年続けマスメディアとケンカしてでも、もっと続けようと意気込んでいた佐藤栄作元首相の末期の政権だった。彼は「沖縄の祖国復帰が実現しないかぎり、我が国にとっての戦後は終わっていない」と宣言した唯一の首相である。またこの時から日本経済の高度成長が始まり我日本も稀に見る経済大国と化した事は記憶に新しい事実である。だがこの佐藤栄作首相、後継は当時の無学歴の実力者の子分田中角栄氏ではなく、自らの東大の後輩の子分福田赳夫氏に譲ろうと画策したが、最終的には金の力の田中角栄氏に敗れ去った、正に新しい自民党の政治の姿だった。以来私は政治の面白さを覚え現在にまで続いている。だがその政治も2009年(平成21年)8月30日の衆議院の総選挙によって自民党が半減と言う大敗を決し、第1党となった民主党鳩山内閣が発足し、長年の自民党政権以外の政党の出現となった。政治に興味を持った者としてみればこんなに興奮した事はなかった。だがその政権も2年と少しで終わり、長続きしなかった。その後の安倍晋三内閣がその敗戦の教訓を背に独裁政権を築いた結果、稀に見る恐怖政治の弊害があちこちに出始め、公家のお殿様よろしい宏池会出身の現岸田政権に続いたが、あの政権交代時の緊張感が失せ何か旧態依然のセオリー的政治の復活が感じられ、国会の新鮮さが遠のいたと感じるのは私だけであろうか。