故安倍晋三元首相の国葬問題に思う

 「他人(ひと)の話を良く聞く」がモットーの岸田文雄首相が他人(ひと)の話を良く聞かずに独断で決めた安倍晋三元首相の国葬問題が揺れている。あの物腰の柔らかかった岸田文雄首相、今回何があったのか理解に苦しむ。自らの不人気の挽回策として考えた事だろうが、政治に携わる人間が優先しなければならない事は、人間としてよりも、結果が求められる法の順守だった筈ではなかったのか。法に照らし合わせれば第二次世界大戦後、国葬令が失効したことにより、それによって規定された国葬はなくなった筈ではなかったのか。そもそも国葬とは国家にとって特別な功労があった人物の死去に際し、国費で執り行われる葬儀の事であるとモノの本に書いてあるし、法的根拠に乏しい国葬を独断で決めた岸田文雄首相はこの事知らなかったのではと思わざるを得ない。もし仮にそうだったとしても内閣法制局や国会等の立法機関に相談すべきではなかったのか。そうすれば我々国民の代表である国会議員等で国会で議論出来た筈だったと思う。だが安倍さんの場合は政治の私的利用が過ぎた関係で、国の特別功労者との認定が甚だ疑問に感じられるとの因が国論の割れた理由と思われる。行政のトップがこんな拙速してしまえば政権そのものが不信と感じられてしまうから恐ろしさを感じてしまう。また岸田文雄首相の不運なのは同時期に発生した英国のエリザベス女王の逝去だった。恐らく同じ君主制国家として、王室ではないが政治のトップだった人間の葬儀である。招待者等や訪国者等比べられる事必定であり、そのことよりも同じトップとしてその敬い方の違いがクローズアップされ安倍さんにとっては酷な国葬となるは請け合いである。