安倍元首相の「国葬」を決めたのは皆自分だけ「悪い子」なならず「良い子ぶった」結果だ!

首相経験者としては戦後2人目

銃撃されて死亡した安倍晋三元首相(享年67)の「国葬」が今年の秋に営まれることになった。戦後、首相経験者の国葬吉田茂氏のみ、「国民葬」も佐藤栄作氏だけで、1980年に死去した大平正芳氏以降は「内閣・自民党合同葬」が主流となっていた。

 

「当初より官邸は『国葬回避』で動いてきました。過去の例にならって内閣・自民党合同葬が妥当であり、穏当ではないかという見方が大勢でした。

 

そもそも多くの国民は国葬国民葬もリアルタイムで経験しておらず、実際、開いたとしても比較すべき基準や対象がありませんから評価のしようがない。突っ込みどころがあるとしても、予算の問題くらいのものです」(全国紙政治部記者)

 

政府が主催し、国費で全額を負担する国葬に対し、国民葬は政府と自民党、国民有志が共催し、費用は分担するとされる。一方で内閣・自民党合同葬は内閣と自民党が共催し、費用は分担してきた。中曽根康弘元首相の場合、かかった費用は2億円弱だった。

 

「安倍元首相の死は悲劇そのもので、政権は歴代最長を誇りましたが、その実績が吉田茂氏や佐藤栄作氏に比肩するのか、あるいはモリカケなど様々に浮上した疑惑の検証は十分なのかというと、議論が分かれるところでしょう。憲法改正など勝負を賭ける時は別ですが、国論を二分しかねないテーマはできるだけ避けるというのが政権運営の基本で、官邸もそのように動いていたということでした」(同前)

 

加えて、安倍元首相の選挙区・山口4区では補欠選挙が行われる予定であり、後継者として昭恵夫人の出馬説が報じられもしている。実際にそうなれば、国葬はさらに政治的な意味を持つことになるだろう。

 

そういった状況があるにもかかわらず、どうして国葬へと格上げされることになったのか?

 

どんな打算があったのか?

自民党保守系の重鎮が岸田首相に耳打ちしたとか、世の中のいわゆる保守派のプレッシャーに耐えかねて決まったなどとよく言われていますが、あくまでもそれは後付けの理由なんだと思います。

 

保守を標榜する人たちは今回のことをうまく利用してビジネスにもできるでしょうし、自身のプレゼンスを高められるでしょう」(官邸関係者)

 

 

岸田首相として、安倍元首相という精神的支柱を失った保守派におもねったアイデアだという指摘も随分なされていた。

 

「確かに岸田派は数のうえでは党内第4・第5を争う弱小派閥で、第1派閥の安倍派を筆頭に気を遣わなければならない相手がいるのは事実です。

 

ただ、今回の決断に岸田さんの政治的な打算がそこまであったわけじゃないと思います。仮にあるとしたら、安倍さんに対する同情であり、憐憫の情ではないでしょうか。

 

例えば、東京・芝公園増上寺になんら号令もかけていないのにあれだけの人が集まった。大変不幸な死ではあったが、政治家として人として、このような幸せなおくられ方はないだろうと感じた部分があったようです」(同前)

 

つまり、岸田首相の考えひとつであり、他の要素が入り込む余地はなかったというのだ。

 

「そうですね、正直なところ、深い考えというよりも流れで決まった印象がありますね。唯一、野党の動きは気になりましたが、立憲民主党は事を荒立てる様子はないようですし、先ほどもお話ししたように保守派は満足と、結果的に各方面で良い具合に収まったということだと思います」(同前)

 

実際、各社の内閣支持率は軒並み上昇という結果となっている。岸田首相がこれまであまり見せることがなかった決断力の賜物なのかもしれない。

 

 

これ『はたして実績は吉田茂佐藤栄作に比肩するのか…安倍晋三元首相の「国葬」が行われる「意外な理由」』と題した現代ビジネス 週刊現代 2022/07/20 06:00の配信記事である。

 

 

色んなモノの書物を読めば色んな人間が安倍元首相の「国葬」には異論があり、その是非論は二分する。

それでも反対する自分だけは「悪い子振らず」に「良い子振った」結果である。何故なら間接的に負担するその国葬費は直接に自分の懐が痛まないからである。