高波の中、運航を決めた観光船「ＫＡＺＵ I（カズワン）」は出港前、地元の仲間から「行くな」などと助言を受けていた。事故数日前には各社合同の安全訓練も実施されたが、遭難事故は防げなかった。
カズワンを所有する知床遊覧船（北海道斜里町）の元甲板員の男性は２５日、同町のウトロ港で「なんで強行したのか。残念だ」と嘆いた。遭難事故が起きた２３日朝、豊田徳幸船長（５４）に「午後から（天気が）悪くなる予定だからな」と声を掛けたという。
男性によると、豊田船長は地元での運航経験が１年ほど。男性は「ここの海に精通していない」と指摘する。知床遊覧船の人員体制は手薄といい、「気持ちに余裕がなかったのでは」と話した。
別の観光船会社の社長は３月、カズワンの船首に約１５センチの亀裂があるのを目にした。海が荒れると予想されていた２３日に「行くな」と止めたが、助言は生かされることなく、出港したという。
一方、地元の運航会社４社は、シーズンを前に合同で安全訓練を行っていた。訓練は年１回実施。海上に投げ出された人の引き上げや、故障した船舶のえい航について、手順を確認した。海上保安庁による安全講習もあり、知床遊覧船も参加。「しっかり訓練はしていたんだが」。ある運航会社の男性船長は遭難事故を受け、残念そうに話した。
シーズン入りすれば、同じ海域に観光船が２～３隻いることが多く、異変に気付く可能性があったという。男性船長は「２３日でなければ事故は起きなかったのではないか」と声を落とした。
これ『「行くな」と仲間助言＝数日前も訓練、事故防げず―北海道・知床』と題した時事通信 2022/04/26 10:15の配信記事だ。
起きてしまった事故であり多少の誇張はあるが、やはり起こるべくして起きた事故と言えるのではないか。
新聞やテレビ等で視聴きすればするほど、起こるべくして起きた事故と言える。
企業経営の立場から見れば、この船長は出航は無理だと解かってはいたが、ここの舵取り経験1年位で危険さの度合いに疎く、社長の命に従ったのではと私的には思う。何か事故に合うために出航したように見えて仕方が無い。報道にあるように救命道具着ければ安全だとは思うが、問題はその季節と海水温度の関係で、水温5℃以下では１時間ほどで意識は失われると言われている程だから、岸にたどり着く前に絶命してしまうと言う事だったろう。問題は確かに安全教育の実施も必要とは思うが、要はその運航責任者と実際船を操る船長の見識と常識の問題だろうと考える。
