報道各社の政権の支持率調査は視聴者の思想による購読者対象となるから余り意味がない!

 岸田文雄内閣が10月4日に発足したことを受けた、報道各社の世論調査結果が出てきています。内閣支持率について、日経新聞の調査では59%、朝日新聞では45%と大きな差がつきました。そのほか、読売新聞56%、毎日新聞49%などとなっていますが、なぜ、これほど大きな差がつくのでしょうか。世論調査や選挙調査に詳しい、埼玉大学名誉教授の松本正生さんに聞きました。

 

「重ね聞き」有無で大きな差

Q.世論調査内閣支持率で、なぜ、大きな差が出るのでしょうか。

 

松本さん「世論調査では、質問の方式が若干違うと、回答者の答えが変わることはよくあります。その結果として、各社が報じる内閣支持率に『大きな差があるように見える』ことがあるのです。結果が違う要素として、一番大きいのは『重ね聞きをするか、しないか』です。電話調査で『岸田内閣を支持しますか、支持しませんか』と聞いたとします。

 

岸田内閣はまだ発足したばかりですし、様子見をしている人も多く、『支持する』『支持しない』どちらとも答えない人がいます。そのとき、朝日新聞毎日新聞は、答えない人をそのままにするのです。今回の朝日新聞の結果で『支持する』の45%と『支持しない』の20%を足すと65%です。つまり、はっきり答えた人は6割強で、それ以外の人は答えていないわけです。

 

一方、読売新聞や日経新聞の調査では、支持するかしないか答えなかった人に対して、『あえていえば、支持しますか、支持しませんか』といった聞き方、つまり、『重ね聞き』をするのです。すると回答率がぐんと上がって、『支持する』『支持しない』の合計が読売新聞83%、日経新聞84%になっています。答えた人が2割くらい増えているわけです。

 

特に新内閣が発足したときは、重ね聞きすると『支持する』に振れる傾向があります。まだ、これといったイメージがないので『新しい内閣をあえて否定することはない』と思う人が多いのでしょう。重ね聞きをするか、しないかについて、『どちらがいいのか』といわれることがありますが、各社それぞれ、今までやってきた方式は変えられないというのが現実です。

 

同じやり方で聞き、それを継続していくことで、前回の数字と今回の数字を比較していく。それによって、数値の客観性が担保されているのです。一回の調査を見て、『岸田内閣の支持率は59%、45%、どっちが正解ですか』と聞かれても『聞き方が違うので、違っても仕方ない』というのが結論です」

 

Q.今回のように同時期に内閣支持率を聞いた場合、大きく差がつくことがあるのは珍しくないのでしょうか。

 

松本さん「珍しくありません。例えば、2008年8月に福田康夫首相(当時)が内閣改造をしたとき、各社で大きく内閣支持率が違って、話題になりました。各社とも『なぜだ』と検証作業をしました。その際、『重ね聞き』の有無が明らかになったのです。

 

ちなみに、もっと微妙な問題になると、もっと大きな違いが出ることがあります。例えば、秋篠宮家の長女・眞子さまの結婚問題について、読売新聞の10月上旬の調査では、結婚がよかったと『思う』が53%で、『思わない』が33%でした。一方、毎日新聞の9月中旬の調査では、『祝福したい』が38%、『祝福できない』が35%でした」

 

Q.日経新聞や読売新聞は比較的、自民党政権寄りの報道姿勢と一般的には見られており、逆に朝日新聞毎日新聞自民党政権に厳しいことで知られています。そうした傾向が内閣支持率に反映することはあるのでしょうか。例えば、「朝日新聞世論調査ですが…」と自民党支持者の家に電話がかかったら、回答を拒否されがち、といった傾向があり得るのですか。

 

松本さん「そうしたことは関係なく、あくまで、聞き方の違いなど調査手法が違うことが主な原因だと思います。ただ、調査手法の違いといったことは以前は明らかになっていませんでしたし、世間でなかなか広く知られていないので、勝手な解釈が独り歩きしてしまうのかもしれません。ちなみに、産経新聞内閣支持率は意外と低いことが多いです」

 

Q.違いの原因は分かりましたが、それでも14ポイントも差があると、気になる人もいると思います。私たちはどのように数字を見たらよいのでしょうか。

 

松本さん「変化を見るようにしましょう。そうすると、今回の結果でいえば、菅義偉内閣の最後の調査に比べたら、岸田新内閣では上がっていることが分かります。各社の傾向はおおむね同じように動いていきます。前回より上がったか下がったか、そこを見るのです。また、内閣発足時の支持率という意味では、歴代内閣の中で、岸田内閣は出発点としては低い方です。それも各社共通しています。過去の内閣の発足時支持率と比べることで『低調な船出なんだな』と分かるわけです」

 

世論調査を「セカンドオピニオン」に

Q.世論調査の意義は何でしょうか。

 

松本さん「一つは、自分の意見や考え以外の『セカンドオピニオン』になり得るということでしょう。今回は内閣支持率の話でしたが、先ほど触れた眞子さまの例でいうと、毎日新聞調査の『祝福したい』は読売新聞の調査より低かったのですが、それでも、『なんで、こんなに祝福が多いんだ』『こんな数字なわけがない』といった電話が、調査した側にかかってきました。

 

SNSなど自分だけの情報源で『みんな結婚に反対している』とか、『小室圭さんとの結婚を否定的に見ている』と思っていると、世論調査をやると『祝福したい』『よかった』という声の方が否定的意見より多いと分かるわけです。そうした事実に気付いてもらう意味で、世論調査の意義はあると思います。世間の声の『鏡』という感じですね。

 

もう一つの意義は『社会の記録』です。同じ聞き方で定期的に調査することで、世の中の意見が変わったときや『潮目』が来たときが分かる。世論調査の結果の推移を時系列で見ていくと、世の中の変化、流れが見えてきます」

 

Q.衆院選が10月31日の投票となる見込みです。世論調査の数字というものを、私たちは投票の際、何らかの参考にすべきなのでしょうか。

 

松本さん「自分の1票をどう使うか、有効に使いたいと皆さん思うでしょうから、使い方の参考情報として、世論調査や選挙の情勢調査の報道は意味があると思います。『(調査結果が投票行動に影響する)アナウンスメント効果があるから、情勢調査の結果を公表するな』という意見がありますが、調査結果の報道がなければ、何を参考にするのでしょうか。判断の指標の一つとして大切なものです。

 

もちろん、自分の意見(誰に、あるいはどの政党に投票するか)が早くから、はっきり決まっている人は別ですが、商品を選ぶのと同じで『候補者の中で、選ぶとしたらこの人かな』『この政党にしようかな』と判断するときの一つの情報。情報として、内閣支持率も投票の判断材料の一つになり得ます。もっとも、世論調査や情勢調査はあくまで、判断材料の一つです。それを参考にしない人がいてもいいですし、参考にして選ぶ人もいていいのです。

 

一方で、そうした情報が全くなくなってしまうと、根拠の明らかでない情報に社会が支配される可能性があります。SNS上の根拠不明な情報が独り歩きしたり、誰かが意図的に操作している情報が独り歩きしたりする恐れもあります。そういった情報が影響力を持つのはよくありません。報道各社は選挙報道を含む報道の信頼性を保つためにも、情勢調査や世論調査に力を入れています。そうしたことも踏まえて、各社の報道を見てから、投票に臨んではいかがでしょうか」

 

オトナンサー編集部

 

 

これ『岸田内閣支持率、日経59%で朝日45% 「世論調査」の結果、なぜ大きな差がつく?』と題した大人アンサー10/9(土) 14:10の配信記事である。

 

 

そんなの何の不思議もない! 要はその支持率調査マスコミ各社の思想の立ち位置によるからである。

例えば新聞の購読者の思想等見れば左から朝日、毎日、読売の順になり、右的思想者は読売の購読者が多く、左派的思想社者は朝日が多く、真ん中が毎日新聞の購読者となるだろう。だから朝日新聞が支持率調査をすれば当然に反体制者が多くなり、現政権の支持率は低くなるのが当然だ。そんなの当たり前だから唯の指標でしかなく、支持率の調査とは言い難い。