コロナ禍の最中 事業者に「苦しい事業の事業譲渡は如何? M&Aのお手伝い」のDM 真剣な事業者は憤るが考えようによっては1考?

 

 新型コロナウイルス感染問題の深刻化に伴う経済活動の悪化で、多くの企業が苦悩し、事業継続に向けて懸命の努力を続けています。そのさなかの昨年12月、東京都内で事業を営む中小・零細企業の経営者のもとに、事業意欲を失わせかねない案内状が送られてきました。金融ジャーナリスト、浪川攻さんのリポートです。【毎日新聞経済プレミア】

 

 ◇送り主は都中小企業振興公社

 

 案内状の送り主は東京都の外郭団体である東京都中小企業振興公社だ。封筒の上部には「公社支援事業のご案内」と記されている。突然、そのようなダイレクトメール(DM)を受け取ったある建設関係の経営者は、「新たな助成金かも」と思いながら開封し、案内状の文面を読んだ。途端に、言いようのない怒りで手が震えたという。文面にはこう記されていた。

 「新型コロナウイルス感染症の影響等により、事業譲渡等を検討している都内中小企業者様を対象に、国内譲受(買い手)事業者とのM&Aマッチング支援を行います。(中略)是非とも本事業のご活用を検討ください」

 案内状とともに、同公社が事業を外部委託した都内のM&A(企業の合併・買収)仲介業者のパンフレットが同封されていた。同様にDMを送り付けられてきた設計事務所の経営者が怒りの声でこう訴える。

 「我々は事業継続に向けて懸命に努力しているのに……。東京都は飲食店に時短などの制約を課す厳しい措置をコロナで打ち出している。厳しいから今のうちに会社を売却したらどうかというのか」

 

 ◇逆なでされた気持ちに

 

 2人の経営者はコロナの大嵐のなかで事業継続に向け精いっぱいの努力をしてきた。その最中に、公の団体の名前で事業売却を勧めるような文書が届き、思いを逆なでされたのだ。2人は自分のもとになぜこのようなDMが送られてきたのかが理解できない。都税はきちんと納めているし、事業譲渡の相談など、どこにもしたことがないからだ。あるとすれば、コロナ関連で東京都が設置した給付金制度を申請しただけという。

 そこで同公社に、DMとその送付先の選定基準を電話で確認してみると、このような説明が返ってきた。

 「同事業は、M&A仲介業者に委託している。DMも委託先が行ったものであり、いまのところ、その郵送に関する具体的な報告は受けていない」

 要するに、典型的なマル投げのようだ。

 

 ◇「泣きたくなった」と経営者

 

 コロナ問題が深刻化して以降、銀行、信用金庫、信用組合といった金融機関は、取引先の企業、個人に対しさまざまなやり方で資金繰り支援を続けてきた。経営者の事業意欲を萎えさせないことが支援の狙いだった。そうした金融機関の経営者にこのDMについて尋ねると「ウソだろう」という驚きの声が返ってきた。

 M&A仲介業者は事業譲渡が成約すれば報酬を得る。DMは潜在需要の掘り起こしに向けたものだろう。確かに、事業承継は中小・零細経営者にとって大きな課題だ。M&Aはその手法として活用されるものだ。

 だが、この時期、公的な事業の一環として、しかもコロナ禍と結びつけてDMが送られたときに、「泣きたくなった」(前述の設計事務所経営者)という感情を抱く複数の受け手がいたのだ。公的事業の外部委託が陥りがちな落とし穴と言える。経営者2人は、自分にDMが送られてきた経緯をぜひ知りたいと漏らしている。

 

 

これ『コロナに耐える経営者が激怒「東京都公社の案内状」』と題した毎日新聞1/17(日) 9:30の配信記事である。

 

 

コロナ禍の最中真剣に考えてる事業者にしてみれば非常に失礼な話ではあるが、冷静に考えてみれば、後継者も居ず、しかも少子高齢社会に突入して今後新規の客も見込めないのなら考える価値はあると私的には思うし、その方法も中々聞けない今考えてみる価値はありそうだ。

私的にはそんなに感情的に憤る事ではないのではとも思う。何故ならコロナ禍の前から事業業績が悪く悩んでいた事業者も結構多く居たとも聞くし、このコロナ禍が背中を押してくれるとも考えられるからだ。「もしたら」はタブーと言えるが、もし私に後継者がいなかったら、この話喜んでお受けし相談する事と思う。