9月臨時国会の首班指名選挙で見慣れない人に1票入れた議員が居たのには驚くより呆れた!

まず始めにその投票結果を下記に示す.

 

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 9月、菅義偉首相が誕生した参院本会議の首相指名選挙で、女性議員が女性議員に投じた「1票」が波紋を呼んだ。与野党の代表に投じられることが多い首相指名選挙では極めて異例のできごと。女性議員の割合は衆院1割、参院2割にとどまる。永田町の「常識」に対し、「女性が意思決定の場に増えれば確かに日本は変わっていく」との思いをぶつけた一票の裏を取材した。 (共同通信=梅岡真理子

 

 ▽飛んだやじ

 

 「伊藤孝恵さん、1票」。9月16日の参院本会議。山東昭子議長が、自民党の菅総裁、立憲民主党枝野幸男代表らに続いて読み上げた結果に議場からどよめきが起きた。その場では誰が入れたかは分からない。ベテラン議員からやじが飛んだ。 「自分で入れたのか」 「記録に残るのに何をやっているんだ」

 

 当選1回の国民民主党伊藤孝恵参院議員(45)=愛知=に、同い年の無所属寺田静参院議員=秋田=が投じた票だった。

 

 寺田議員は投票後、間もなくブログで自らの考えを公表した。

 

 「さまざまな課題は、女性が意思決定の場に増えれば確かに変わっていくことだとの思いが強くなり、今回の投票につながりました」

 

▽悩んだ末に

 

 寺田議員は国会議員秘書などを経て、2019年の参院選で地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の秋田市への配備反対を掲げ、初当選した。夫は民主党政権首相補佐官を務めた立憲民主党の寺田学衆院議員。

 

 寺田議員自身は無所属で党の方針に従う必要がないため、安倍晋三前首相の辞任表明後、国のかじ取りを誰に委ね、どんな社会を目指すべきか悩んだという。当選以来「政治の意思決定の場に女性が少ないことで、放置されてきた問題が多い。女性が半分かそれ以上いてもいいのではないか」との思いを抱えていた。

 

 フィンランドニュージーランドなど諸外国では30代や40代の女性首相が誕生している。コロナ禍で各国の女性リーダーの指導力や活躍も目立った。

 

 悩んだ末に頭に浮かんだのは「子どものために社会を変えたい」との志を掲げていた伊藤議員だった。2児の母で元会社員。超党派のママパパ議員連盟の活動を通じて行動力と発信力に共感し、尊敬していた。

 

▽とっぴなこと

 

 「日本を大きく変えてほしい」。議員秘書の経験から、投票はとっぴなことと捉えられるのは分かっていたが、思いを込めて1票を投じた。すると、予想以上の反響があり、男女を問わず多くの声が寄せられた。「年齢や性別だけで選んだ」「本気でやるなら仲間を集めるべきだ」との批判もあったが「曇りのない説明ができる人に票を投じた」と後悔はしていない。

 

 自民党橋本聖子男女共同参画担当相も会見で「首相や閣僚、あらゆる役職に女性が当たり前に起用されることが望ましい。(1票は)これからの世代に第一歩をしるした」と同調した。

 

 当の伊藤議員は「思いも寄らないことで本当に驚いたが、永田町、社会に投げ掛けた重い一石」と真摯(しんし)に受け止めている。育児と議員活動の両立や選挙などさまざまな「女性議員の壁」を感じてきたのは寺田議員と同じだ。今でも周囲の議員から「伊藤総理」とやゆされるのが歯がゆいが「当事者感覚を大事に、寺田さんと一緒に社会を変えていきたい」と話す。

 

 寺田議員は「一般の人にとって政治は遠い世界のように思われているが、国会は生活のことを決める場。もっと関心を持ってほしいし、普通の生活感のある人が政治に参加すべきだ」と考えている。

 

 ▽理想とする総理の姿

 

 寺田静参院議員が首相指名に関する思いをつづった9月16日のブログの抜粋は、次の通り。

 

 伊藤さんは4年前の参院選で初めて当選された、私と同じ45歳の女性です。お子さんが生まれた時に、「この子は耳が聞こえないかもしれない」と言われたことから、産後うつの中、障がい児を取り巻く環境のことを徹底的に調べ、絶望し、社会を変えなくてはならない、そしてどうやったら社会を変えられるのかと悩み、民主党の公募に応募するに至ったとのこと。 

 

 その政治家としての生い立ち、子どものために社会を変えたいというところに心から賛同しますし、私自身の思いと重なるところがあります。加えて、議員としての強さと確固たる覚悟、フットワークの軽さなど、こうありたいと心から思う尊敬出来る先輩議員です。

 

 40代の女性議員が総理にと、歴史ある国会において奇異なことと映るかもしれません。ただ、諸外国を見渡せば、既に30代、40代の女性たちが首相に就任しています。

 

 生きづらい社会が、私たちの前には横たわっています。(日本の問題は)少しずつですが前進はしています。ただ、諸外国はその10倍20倍のスピードで社会の仕組みを変えていきました。そこには問題に正面から向き合うこれからの世代、女性たちの姿がありました。

 

 私が問題意識を持っているさまざまな課題は、女性が意思決定の場に増えれば確かに変わっていくことだとの思いが強くなり、今回の投票につながりました。前例や慣例を重んじる今の政治において、私の投票行動を快く思われない先輩諸氏がいらっしゃると思います。それでも、私は、伊藤さんに日本を大きく変えていってほしい。理想とする総理大臣の姿を思い描き、1票を投じました。

 

 

これ『永田町をどよめかせた首相指名の「1票」 「女性を意思決定の場に」』と題した47ニュース 2020/11/12 07:00の記事である。

 

 

最初にこの記事を見た時私は非常な違和感を感じた。

確かに言ってる事は素晴らしいし、理想だとも思う。がしかし、寺田静参院議員は国会議員であると同時に自らの地域の選挙民の代表・代理人でもある。理想を掲げるのも結構だが、自らの選挙民の了解を取れているのだろうか? 理屈で言えば首相指名は立候補制ではなく互選と言うルールである。とした場合には当然国のトップは政治に素人には無理と言えるし、やはりそれは国会議員の中から選ぶべきであろうとも思う。今回の寺田議員の1票はそれは充足してるから問題は無いと思うが、唯一不足してるのは自らの選挙民の代弁者だという事を忘れてると言う事である。もし寺田議員の主張通りだとしたなら、この1票の前に、首班指名の制度そのものを、国民が一人一人首班を選べる国民選挙に変える努力が先ではと思う次第である。自らの信条だけで通じる世界でない事を知べきと感じた。そしてそれを変える必要を痛切に感じた寺田議員の1票ではあった。