北朝鮮の金正恩委員長の妹・金与正氏(31)が、過激な発言を連発している。
「南朝鮮(韓国)当局の下、クズどもが最高尊厳(正恩氏)を刺激した」
「人間のクズが人間の真似をして、あのような行為をするとは。汚い口で吠え立てる野良犬と同じだ」
「悪意に満ちた行為が、『個人の自由』だの『表現の自由』だのという美名の下に放置されるなら、南朝鮮当局は遠からず最悪の局面に陥るだろう」
与正氏が罵倒するのは韓国政府だ。キッカケとなる事件は、5月31日に起きた。韓国の脱北者団体が、ソウル近郊から正恩氏を批判するビラ50万枚を風船につけて散布。一部は北朝鮮南部に届き、多くの住民が目にしたという。北朝鮮では、国の指導者は「最高尊厳」と呼ばれ絶対的な存在だ。敵対する米国の「属国」とされる韓国に批判され、与正氏は「人間のクズの茶番」と激しく反発している。
「北朝鮮当局は、ビラを手にしないよう人民に徹底したそうです。しかしビラを密かに手に入れ、正恩氏の指導体制に疑問を持った人も多いと言われます。中にはビラに感化され、国家を非難するような発言をした人々もいたとか。そうした住民は社会安全部(警察)に逮捕され、公開処刑されたようです。与正氏や金明吉・中央検察所長は、6月7日の労働新聞を通じ次のような談話を発表しています。『わが最高尊厳を攻撃した挑発者たちを無慈悲に処刑する』『対南事業を徹底的に対敵活動に転換すべきだ』と」(韓国紙記者)
韓国によるビラ散布は、これまでにもたびたび行われてきた。北朝鮮は、なぜ今回ここまで過敏に反応するのだろう。『金正恩 狂気と孤独の独裁者のすべて』などの著書がある、東京新聞編集委員の五味洋治氏が解説する。
「一説には、韓国からのビラには『正恩氏は日本人と血縁関係がある』と書かれていたそうです。本当なら、正恩氏にとって最大の冒涜ですよ。しかも今回の宣伝活動は、以前より北朝鮮国内で大きな影響を及ぼしています。最近普及し始めたスマートフォンで、住民がビラを撮影。画像が拡散しているんです。北朝鮮当局が危機感を抱き、反応が過剰になってもおかしくありません。
もう一つの理由は、感染拡大する新型コロナウイルスでしょう。北朝鮮は1月下旬から鉄道、飛行機、車などでの、すべての入国ルートを遮断し感染拡大を防ごうとしています。その影響で中国などからの輸入が途絶え、物資不足になっている。国連制裁も続いていることから、深刻な飢餓状態に陥っていると言われます。人民の不満をそらすため、韓国との敵対関係を煽らざるを得ない事態になっているのでしょう」
過激反応の先頭に立っているのが、与正氏だ。与正氏は18年に行われた平昌五輪に派遣され、恥ずかしそうな態度で「南北関係を大切に思います」と発言。時にはミニスカート姿も辞さない温和な態度で高官たちをメロメロにし、韓国では「外交アイドル」と呼ばれてきた。だが、今回は態度が一転。前出の五味氏が、彼女が攻撃的な言葉を吐き続ける要因を分析する。
「与正氏は今年4月の政治局会議で、若くして幹部の一人に昇格しました。正恩氏による、事実上の後継者指名だと言われています。指導者は優しいだけでは務まりません。特に北朝鮮のような独裁国家では、冷酷な決断を求められることもあるでしょう。今回の与正氏が過激な発言を繰り返す背景には、正恩氏の『後継者としてもっと厳しくなれ』というメッセージが込められていると思います。
また正恩氏自身が過激な発言をすると、海外の首脳たちは『あんな乱暴なトップとは対話できない』と感じるでしょう。口汚い言葉で罵倒する『汚れ役』を、信頼する与正氏にやらせているのかもしれません。温厚なイメージで韓国でも人気の高い与正氏が、急に過激な言動をとれば、文在寅政権にも強い衝撃を与えられる。北朝鮮が本気で怒っていると、印象づけられるんです」
華奢な与正氏の外見とは裏腹に、連発される辛辣な言葉の数々。ウラには逼迫する北朝鮮の国内事情、そして正恩氏の思惑があるようだ。FRIDAYデジタル
これ『韓国を突然「クズ」と罵倒 金正恩・妹が過激化の理由』と題したFRIDAY Digital 6/15(月) 8:02の配信記事である。
完全なる鎖国主義国北朝鮮、そして秘密主義なる人民統制主義国北朝鮮、独裁国家とは名ばかりで国民に情報を流さないから平穏さが保ってる国である。「最高尊厳」は反面教師でもある。少しでも情報が洩れれば北朝鮮は暴動が起き崩壊が目に見えてる。それが解っているからこそ、その焦りが金与正氏の高飛車発言となって表れるのだろう。こんな国家は絶対に長続きはしない。いづれはルーマニアの失脚したチャオシスク独裁大統領の二の舞となるは必定だ!