菅政権は政権交代時の民主党の敵である

 私は1昨年の劇的な政権交代時のスローガンであった、民主党マニフェストをことごとく反故にした菅政権は、言葉は悪いが戦国時代の言葉を借りれば逆賊であると思っている。いや、それ以上の何物でもない。少なくとも当時の国民は、1955年以来、いわゆる55年体制自民党政権の嘘つき詐欺政権に飽き飽きし、真の国民政党と期待し期待されし民主党への夢を、現菅政権は全てバブルの如く消し去ってしまった。この責任は重大である。そして今それを悔いる事無く尚加重させる現政権は、我々国民のその夢を打ち砕いた当事者として、我々国民の心から消える事は無いであろう。そしてこの政権は、その夢を打ち砕いて民主党政権を終焉に導いた主役として、日本政治史上に永遠とその汚名を残す事になろう。
 
 昨日民主党の有志16人が民主党会派を離脱した。その「民主党政権交代に責任を持つ会」(会長・渡辺浩一郎衆院議員)が発表した「約束を果たす民主党への回帰宣言」の全文を見れば全てが納得し納得させられる正に正当性のある宣言なので下記に示したい。
 
『「今の菅政権は、国民との約束を果たす本来の民主党政権ではない」 今、民主党議員の多くが強くそう感じている。「国民の生活が第一」の政治理念は、おととしの衆議院総選挙での、民主党と国民との最大の約束だった。しかし今の菅政権ではどんな事態が進行しているだろうか。
 総選挙では、予算のムダを徹底的に削り、新たな政策の財源に充てるとしたマニフェストを掲げ、政権交代を実現した。しかし、「予算の総組み替えなどを行う」と主張していたのに、ほぼ手つかずの一方で、先週、菅総理大臣は、「衆議院の任期中上げない」としていた消費税については、「来年度末までに法的な対応をしなければいけない」と発言し、増税への意欲をあらわにした。
 菅政権は国民との約束、マニフェストを捨てたのである。
 また、政治家主導で日本を立て直すはずが、目玉とされた国家戦略局の設置法案は実現せず、公務員制度改革も反古(ほご)にされている。官僚に頼り放しだが、尖閣問題や北方領土問題など、もっとも政治主導であるべき案件で失敗すると官僚のせいにする。
菅政権は政治主導の御(み)旗も捨てたのである。
 菅政権は、民主党の理念、そして「国民の生活が第一」という国民の皆様への約束をも捨て去ったのである。
 菅政権が本来の民主党の政策を捨て、本来の民主党の政治主導を捨て、本来の民主党の国民への約束を捨て去って省みないならば、それは国民が願いをかけた本来の民主党そのものを捨て去ることになる。
 そして、このことは、本来の民主党への支持の上に比例代表で当選した我(われ)々(われ)の存在意義すらも打ち消すことになる。
 我々は民主党と国民との約束の上に存在する比例代表の議員だからこそ、本来の民主党の姿とはかけ離れた今の菅政権にはもう黙ってはいられない。みすみす旧来からのしがらみにはまり込み、無原則に政策の修正を繰り返す菅政権に正当性はない。我々は今こそ「国民の生活が第一」の政策を発信し、国民の信頼を取り戻していかなければならない。
 しかし、我々は、民主党に対する信頼が地に落ちた今となっても民主党を捨てるつもりはない。歯を食いしばっても、国民との約束であるマニフェストの実現に取り組む我々こそが、本来の、そして真の民主党であるからだ。
 従って、我々は、国民との約束を果たす議員集団であることを、改めて国民の皆様に行動で示すために、衆議院での民主党・無所属クラブとは分かれ、新たに院内会派を設立する。そして同志一同が結束して、「国民の生活が第一」の政策を実行すべく今後、行動を展開していくこととする。
 2月17日 民主党衆議院比例代表単独議員有志一同         』
 
以上である。
 
 そして、18日、この離脱宣言に対して江田五月法相は午前の記者会見で、民主党小沢一郎元代表に近い議員16人が執行部への不満を理由に会派離脱届を出したことについて「(16人が)言っていることはちょっとよく分からないというか、『そんなことをよく言われますねえ』という感じ」と批判した。との報道があった。仙谷やこんな江田見たいな、現世には天然記念物的極左を傍らに置く菅首相は、やはり反体制でしか生きれない悲しい性の持ち主と見えるが、我々国民はいい迷惑である。