政治と言う垣根を越えた菅首相

 菅首相を支持する民主党の議員グループ「国のかたち研究会」が25日、国会内で開いた今年初の定例会合で、与謝野経済財政相の登用について不満の声があがる一幕があった。
 会合には江田法相ら約35人が出席。首相は欠席した。出席者からは、かつて激しく民主党の政策を批判した与謝野氏の入閣について、「支持者にどう説明すればいいのか」と戸惑う声が出た。同党では、与謝野氏に早く溶け込んでもらう狙いから、菅グループ津村啓介総括副幹事長を与謝野氏の「水先案内人」に任命したばかり。
 だが、菅グループ内でも与謝野氏への共感は広がっていないようで、首相の後見役とされる江田氏は「『遠方より友来たる』ということもある」と、首相の与謝野氏起用の決断を懸命に擁護した。 との報道があった
 
 自分の考えを何処までも思い通りに通すには手段を選ばず、と言うのが菅首相の考え方らしい。しかし、政治の世界では時には節操の無さを指弾される時がある。今回の菅首相の与謝野経済産業相の選任は取りも直さず自分勝手の何ものでも無いからそうなのでである。

 何故なら与謝野馨その人はかねてから経済成長(法人税の減税による国際間競争力の強化)だけでなく消費税増税による財政再建に言及しており、谷垣禎一柳澤伯夫同様、自民党内屈指の増税論者だった。いわゆる霞が関埋蔵金の活用論に対しても批判的な立場をとる生粋の財政再建論者であるから、本質的には民主党の当初の政策、それにマニフェストとは相容れない筈だったからである。これは菅首相の自分にその才無く、誰かに頼らなければ何も出来ない事を自ら証明してる証でもある。