舌を巻く小沢氏政倫審出席カード

 記事に入る前に小沢一郎民主党元代表の記者会見要旨に簡単に触れると次の通りになる。
 
 ▽衆院政治倫理審査会
 出席を拒否したことはない。政倫審に出ることで国会運営が円滑に進み、選挙で国民の支持を取り戻せる見通しの下なら出席はやぶさかでないと繰り返し表明してきた。
 先般、民主党最大の支持母体である連合から挙党一致で難局を乗り越えるよう強い要請があった。国民や同志にも多大な心配と迷惑を掛け、これらを総合的に考えた。政治家の判断として、通常国会で政倫審に自ら出席することを決意した。
 私が政倫審に出席しなければ国会審議が開始されないというような場合、すなわち私が出席することにより2011年度予算案の審議をはじめ国会審議が円滑に進められるようなことであれば、通常国会の冒頭にも出席し、説明したい。出席が国会審議を開始するための主たる条件でなければ、予算案審議に全力で取り組むのが与党として当然なので、予算の成立後速やかに出席したい。出席判断は先ほど岡田克也幹事長にも伝えた。
 弁護団からは司法と立法で同じようなことをするのは基本的人権を侵す可能性があり出席は反対だと言われた。ただ与党の一員でもあり、私が出ることで少しでも資することがあればと考えた。
 ▽仙谷由人官房長官問責対応
 私は内閣を改造する権限もなく、意見を言う立場でもない。私の分際の中で、挙党一致と「国民の生活が第一」の政治の実現に少しでもお役に立てればという気持ちだ。
 ▽強制起訴後の離党
 執行部内での発言は直接聞いていないのでコメントする立場ではない。まだ起訴もされていないのに、起訴されてどうするのか、返答のしようがない。
 
という事であった。
 
 
 この小沢的論理をずるいと見るか、流石小沢流と見るかは評価の分かれるところであるが、察するに、小沢を嫌うものは「ずるいやり方」と見るであろう。特にその代表は仙谷を初めとする空菅の面々だろう。

 思うに、小沢一郎はこのカードを相当以前より暖めていたフシしうかがえる。さすが百戦錬磨の小沢一郎と思う。永田町の論理では無いが、局面カードの切り方の見本であろうと私は思う。善し悪し別にだ。人間駆け引きはやってはいけないのは道理であるが、政治には時と場合には許される。何故か国益が絡むからである。すべてがそうとは限らず、それもTPOであると思う。今までの幼稚な(政権を経験した事が無いと言う意味)民主党は、若く、そう言う簡単に言えば、転んでもただ起きぬ式の手法には疎かった。そう言う駆け引きが仕事の岡田幹事長を初めとする鉢呂吉雄国会対策委員長の言動を見ればよく解かる。

 とにかく小沢一郎民主党を救うべくこのカードを切ったのである。

 「国民の生活第一」をモットーとする小沢一郎は2011年度予算を通すためにである。