政府が16日決定した2011年度税制改正大綱は次の通りである。
はじめに=略
第1章 基本的な考え方
わが国財政は危機的状況にあり、税制の抜本改革を進める必要がある。デフレ脱却と雇用のための経済活性化、格差拡大の是正、納税者視点の改革、地方税制度改革の四つが柱。社会保障改革と財源確保について、消費税を含む税制全体の一体的議論が不可欠。早急に具体的内容を検討する。
第2章 各主要課題の取り組み
1 納税環境整備
納税者の立場で納税者権利憲章を策定。社会保障・税に関わる番号制度の早期導入を検討する。
2 個人所得課税
高所得者に対して有利になっている所得控除の見直しなどを進める。給与所得控除に上限を設ける。成年扶養控除の対象を見直す。金融所得の一体課税を進める。
3 資産課税
相続税は税率構造を見直す。
4 法人課税
国内企業の国際競争力強化などの観点から法人実効税率を引き下げる。中小企業の軽減税率も引き下げる。雇用促進税制などを講じる。
5 消費課税
消費税は社会保障制度の抜本改革検討と併せ、具体的内容を早急に検討する。
6 環境関連税制
地球温暖化対策のための税を導入する。
7=略
8 国際課税
国際連帯税を真摯に検討する。
9 地域主権改革と地方税制
地方消費税の充実など税収が安定的な地方税体系を構築する。
第3章 11年度税制改正
1 納税環境整備=略
2 個人所得課税
(1)給与所得控除の見直し
(1)控除の上限設定
その年中の給与等の収入金額が1500万円を超える場合の控除額は245万円が上限。
(2)役員給与等の控除見直し
役員給与等の収入金額が2千万円を超える場合の控除額は次の通り定める。
イ 収入金額が2千万円を超え2500万円以下の場合は、245万円から収入金額のうち2千万円を超える部分の金額の12%相当額を控除。
ロ 収入金額が2500万円を超え3500万円以下の場合は185万円。
ハ 収入金額が3500万円を超え4千万円以下の場合、185万円から収入金額のうち3500万円を超える部分の金額の12%相当額を控除。
ニ 収入金額が4千万円を超える場合は125万円。
(3)?(4)=略
(2)退職所得課税の見直し
勤続5年以下の役員等の役員退職手当等にかかる退職所得の課税方法について、退職所得控除額を控除した残額の2分の1とする措置を廃止。
(3)成年扶養控除の見直し
(1)控除対象の見直し
居住者(国税。地方税は所得割の納税義務者)に次に掲げる成年扶養親族(23歳以上70歳未満の扶養親族)がいる場合は、総所得金額等から成年扶養親族1人につき38万円(国税。地方税は33万円)を控除する。
イ 特定成年扶養親族(65歳以上70歳未満の者、心身の障害等がある者、学生・生徒等)
ロ 合計所得金額が400万円以下の居住者(国税。地方税は所得割の納税義務者)の成年扶養親族
(2)?(3)=略
(4)金融証券税制
(1)上場株式等の配当等および譲渡所得等にかかる10%軽減税率の適用期限を2年延長する。
(2)非課税口座内の少額上場株式等にかかる配当所得および譲渡所得等の非課税は施行日を2年延長し、14年1月1日からの適用とする。
(3)?(8)=略
(5)租税特別措置等=略
(6)その他=略
3 資産課税
(1)相続税・贈与税の見直し
(1)相続税の課税ベースおよび税率について次を見直す。
イ 相続税の基礎控除は、定額控除を現行の5千万円から3千万円に引き下げる。法定相続人1人につき1千万円を600万円に縮小。
ロ 死亡保険金の非課税制度は、現行の500万円に法定相続人の数を乗じた金額から、500万円に法定相続人のうち未成年者、障害者または相続開始直前に被相続人と生計が同一だった者の数を乗じた金額にする。
ハ 相続税の税率構造。
(2)=略
(3)相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産の贈与税の税率構造について次を見直す。
イ 20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産の贈与税の税率構造。
ロ=略
(4)相続時精算課税制度の適用要件について次を見直す。
イ 受贈者の範囲に20歳以上の孫(現行は推定相続人のみ)を追加。
ロ 贈与者の年齢要件を現行の65歳以上から60歳以上に引き下げる。
(5)=略
(2)租税特別措置等=略
(3)その他=略
4 法人課税
(1)法人税制
(国税)
(1)法人税の税率を引き下げ、11年4月1日以後に開始する事業年度に適用。
(2)減価償却制度について、11年4月1日以後に取得する減価償却資産の定率法の償却率は、定額法の償却率(1/耐用年数)を2・0倍した数(現行は2・5倍した数)。
(3)欠損金の繰越控除制度等を見直す。=以下略
(4)?(6)=略
(地方税)
(1)国税と地方税を合わせた法人実効税率を5%引き下げるため、法人税の基本税率引き下げに伴い、法人住民税率を維持することとし、法人住民税の実効税率を0・87%引き下げる。
(2)増減収を調整するため、12年度から道府県たばこ税の一部を市町村たばこ税に移譲する。
(3)その他=略
(2)中小企業税制
(国税)
(1)中小企業の軽減税率を引き下げる。
(2)?(6)=略
(3)雇用促進税制
(国税)
(新設)(1)雇用促進計画の届け出を行ったものが、11年4月1日から14年3月31日までに開始する各事業年度に、年度末の従業員のうち雇用保険一般被保険者の数が前年度末比10%以上かつ5人以上(中小企業者等は2人以上)増加したこと等の確認を受けた場合、法人税額から、増加した被保険者数に20万円を乗じた金額を控除できる。法人税額の10%(中小企業者等20%)が限度。
(2)=略
(地方税)=略
(4)環境関連投資促進税制=略
(5)総合特区制度、アジア拠点化推進のための税制=略
(6)その他の租税特別措置等
(国税)
(廃止・縮減等)(1)試験研究を行った場合の特別控除の特例を期限到来で廃止。
(2)エネルギー需給構造改革推進投資促進税制を廃止。=以下略
(地方税)=略
(7)その他=略
5 消費課税
石油石炭税に、「地球温暖化対策のための課税の特例」を設け、二酸化炭素(CO2)排出量に応じた税率を上乗せする。11年10月1日から実施し、段階的に引き上げる。
航空機燃料税の税率を11年度から13年度までの間、1キロリットル当たり1万8千円(現行2万6千円)とする。
6 市民公益税制
認定NPO法人や要件を満たす公益社団法人等への寄付について税額控除制度を導入。
7 国際課税
外国税額控除制度を見直す。
8 関税
特恵関税制度を見直し期限を10年延長。
9 検討事項=略
わが国財政は危機的状況にあり、税制の抜本改革を進める必要がある。デフレ脱却と雇用のための経済活性化、格差拡大の是正、納税者視点の改革、地方税制度改革の四つが柱。社会保障改革と財源確保について、消費税を含む税制全体の一体的議論が不可欠。早急に具体的内容を検討する。
第2章 各主要課題の取り組み
1 納税環境整備
納税者の立場で納税者権利憲章を策定。社会保障・税に関わる番号制度の早期導入を検討する。
2 個人所得課税
高所得者に対して有利になっている所得控除の見直しなどを進める。給与所得控除に上限を設ける。成年扶養控除の対象を見直す。金融所得の一体課税を進める。
3 資産課税
相続税は税率構造を見直す。
4 法人課税
国内企業の国際競争力強化などの観点から法人実効税率を引き下げる。中小企業の軽減税率も引き下げる。雇用促進税制などを講じる。
5 消費課税
消費税は社会保障制度の抜本改革検討と併せ、具体的内容を早急に検討する。
6 環境関連税制
地球温暖化対策のための税を導入する。
7=略
8 国際課税
国際連帯税を真摯に検討する。
9 地域主権改革と地方税制
地方消費税の充実など税収が安定的な地方税体系を構築する。
第3章 11年度税制改正
1 納税環境整備=略
2 個人所得課税
(1)給与所得控除の見直し
(1)控除の上限設定
その年中の給与等の収入金額が1500万円を超える場合の控除額は245万円が上限。
(2)役員給与等の控除見直し
役員給与等の収入金額が2千万円を超える場合の控除額は次の通り定める。
イ 収入金額が2千万円を超え2500万円以下の場合は、245万円から収入金額のうち2千万円を超える部分の金額の12%相当額を控除。
ロ 収入金額が2500万円を超え3500万円以下の場合は185万円。
ハ 収入金額が3500万円を超え4千万円以下の場合、185万円から収入金額のうち3500万円を超える部分の金額の12%相当額を控除。
ニ 収入金額が4千万円を超える場合は125万円。
(3)?(4)=略
(2)退職所得課税の見直し
勤続5年以下の役員等の役員退職手当等にかかる退職所得の課税方法について、退職所得控除額を控除した残額の2分の1とする措置を廃止。
(3)成年扶養控除の見直し
(1)控除対象の見直し
居住者(国税。地方税は所得割の納税義務者)に次に掲げる成年扶養親族(23歳以上70歳未満の扶養親族)がいる場合は、総所得金額等から成年扶養親族1人につき38万円(国税。地方税は33万円)を控除する。
イ 特定成年扶養親族(65歳以上70歳未満の者、心身の障害等がある者、学生・生徒等)
ロ 合計所得金額が400万円以下の居住者(国税。地方税は所得割の納税義務者)の成年扶養親族
(2)?(3)=略
(4)金融証券税制
(1)上場株式等の配当等および譲渡所得等にかかる10%軽減税率の適用期限を2年延長する。
(2)非課税口座内の少額上場株式等にかかる配当所得および譲渡所得等の非課税は施行日を2年延長し、14年1月1日からの適用とする。
(3)?(8)=略
(5)租税特別措置等=略
(6)その他=略
3 資産課税
(1)相続税・贈与税の見直し
(1)相続税の課税ベースおよび税率について次を見直す。
イ 相続税の基礎控除は、定額控除を現行の5千万円から3千万円に引き下げる。法定相続人1人につき1千万円を600万円に縮小。
ロ 死亡保険金の非課税制度は、現行の500万円に法定相続人の数を乗じた金額から、500万円に法定相続人のうち未成年者、障害者または相続開始直前に被相続人と生計が同一だった者の数を乗じた金額にする。
ハ 相続税の税率構造。
(2)=略
(3)相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産の贈与税の税率構造について次を見直す。
イ 20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産の贈与税の税率構造。
ロ=略
(4)相続時精算課税制度の適用要件について次を見直す。
イ 受贈者の範囲に20歳以上の孫(現行は推定相続人のみ)を追加。
ロ 贈与者の年齢要件を現行の65歳以上から60歳以上に引き下げる。
(5)=略
(2)租税特別措置等=略
(3)その他=略
4 法人課税
(1)法人税制
(国税)
(1)法人税の税率を引き下げ、11年4月1日以後に開始する事業年度に適用。
(2)減価償却制度について、11年4月1日以後に取得する減価償却資産の定率法の償却率は、定額法の償却率(1/耐用年数)を2・0倍した数(現行は2・5倍した数)。
(3)欠損金の繰越控除制度等を見直す。=以下略
(4)?(6)=略
(地方税)
(1)国税と地方税を合わせた法人実効税率を5%引き下げるため、法人税の基本税率引き下げに伴い、法人住民税率を維持することとし、法人住民税の実効税率を0・87%引き下げる。
(2)増減収を調整するため、12年度から道府県たばこ税の一部を市町村たばこ税に移譲する。
(3)その他=略
(2)中小企業税制
(国税)
(1)中小企業の軽減税率を引き下げる。
(2)?(6)=略
(3)雇用促進税制
(国税)
(新設)(1)雇用促進計画の届け出を行ったものが、11年4月1日から14年3月31日までに開始する各事業年度に、年度末の従業員のうち雇用保険一般被保険者の数が前年度末比10%以上かつ5人以上(中小企業者等は2人以上)増加したこと等の確認を受けた場合、法人税額から、増加した被保険者数に20万円を乗じた金額を控除できる。法人税額の10%(中小企業者等20%)が限度。
(2)=略
(地方税)=略
(4)環境関連投資促進税制=略
(5)総合特区制度、アジア拠点化推進のための税制=略
(6)その他の租税特別措置等
(国税)
(廃止・縮減等)(1)試験研究を行った場合の特別控除の特例を期限到来で廃止。
(2)エネルギー需給構造改革推進投資促進税制を廃止。=以下略
(地方税)=略
(7)その他=略
5 消費課税
石油石炭税に、「地球温暖化対策のための課税の特例」を設け、二酸化炭素(CO2)排出量に応じた税率を上乗せする。11年10月1日から実施し、段階的に引き上げる。
航空機燃料税の税率を11年度から13年度までの間、1キロリットル当たり1万8千円(現行2万6千円)とする。
6 市民公益税制
認定NPO法人や要件を満たす公益社団法人等への寄付について税額控除制度を導入。
7 国際課税
外国税額控除制度を見直す。
8 関税
特恵関税制度を見直し期限を10年延長。
9 検討事項=略