ハノイでの日中首脳会談が突然中止になった。やっと沈静に向かっていた日中対立関係が再び悪化する事になった。
外交は確かに理屈・理念でもあるが当事国どうしの相対関係が強い。だから第3国の介入を極端に嫌う。丁度外交は我々不動産屋の商売に似ている。どんな良い土地でも、どんな高い土地でも相対の関係にある相手が認めなければ高くは売れない。つまりは相手の価値観に依るのである。今回の前原外相は少ししゃべり過ぎた。ハワイでのクリントン国務長官との会話でも、尖閣は安保の範囲内にある等や開放した中国船長を国内法で粛々と云々は外に向かっての発言でなければならない。つまりは外交日程上相手との会談が予定される時、また予定が考えられる時には当事国の責任者は、よほど注意した発言をしなければならない。そこまで相手国に気を遣う?必要は無いと言う方々も居るだろうが、特に中国に対しては。ところが、外交は国益が掛かっている。常識や理屈ではどうにもならない相手国次第と言う事も有り得るのだ。ところが、この前原外相は、改造内閣発足時に私は指摘してたが、性格的に直情型であるからして外交には不向きと言っていたが、予想が当たっていたみたいである。こぶしを張り上げた中国に対して、そのこぶしを静かに下ろす気遣いが必要だったのである。日本が何処までも国内法で処理と言えば言うほど中国は引っ込みがつかないのである。中国は理屈では解っているのであるが、それを考えれない今の内閣が馬鹿なのである。どうしてもと言うなら、そこまで言うのなら何も気にする必要は無い。国交を断絶してやれば済む事である。そうしたくないからこその知恵なのではあるまいか。
思うに私は、この中国問題ばかりでは無い。すべてにおいてこの菅内閣は、いやそればかりではない今の民主党の幹部は何か大きな勘違いをしてるように思えてならない。それは、政権の交代以来、小鳩体制がマニフェストに忠実なあまり、行政実務を極端に官僚排除をしたためその反面教師で、現在は180度それを転換し、逆に今は自民党政権以上の官僚依存のように見えるが、実はそこが癌なのではと私は思っている。官僚は賢い。恐らく自民党時代と違い民主党を信用してないのではないかと思う。民主党が官僚に依存すればするほど官僚は民主党から離れ、逆にわざといたずらしているようにも私には見える。自民党時代には、どっぷりと官僚におんぶに抱っこだったから、官僚はそれなりに使命感を持ち対処して来たが、民主党の場合は何時反故にされるかと言う独特の勘で、言葉が悪いが適当な対処で済まして居るように見受ける。だからこその綻びが多いのではと私は思っている。仕事をさせれば日本の官僚は、時系列的には1分1秒までもミスを起こさない官僚がミスを起こす理由はそれしかないと私は確信している。