菅政権が発足しこの8日で早4カ月になる。この間何の有効な手立てを打ち出せぬまま、党代表選を戦い再選され、改造内閣を発足させた。菅直人と言う人は何と恵まれた、幸運な人なのだろうか。裏返せばそれだけ野党がだらしがなかったと言えばそうなのだが、とりわけ野党第一党の自民党のだらしなさが際立っていると見える。逆説すれば国民の自民党への不信感の表れそのものでもある。これはしばらくとれないであろう。それを自民党は認識しなければならない。
この政権をずっと見て来ているが、この政権は何を求め何をやりたいのかさっぱり解からない。つまりはポリシーが無い、その時の思いつきの行き当たりばったりの無政策と言って良い。国会対策においては事前協議を前面に推し進めている。これなどは後述するが政権の存在感があってこその戦略なのだが、それさえも叶わず、ただただ事前の話し合いさえすれば解かって貰えると、野党時代の気持ちの裏返しを信じて実行してるに過ぎない。今、時と時代は変わりそして置かれている政治・経済状況は戦後最大といわれるデフレ不況の真っ盛り。時にはカンフル剤をもいとわない緊急政策を行わなければ立ち行かない事は目に見えている筈なのに、何の手立ても打てないで居る。無理をせず、前例を作らず、これなどは本当の官僚主導といえるのではないのか。政治主導でありせば、この時こう言う時期にこそ政治主導を貫き、このデフレ不況を吹っ飛ばす、財政出動を何故しないのか、出来ないのか私は不思議である。私だったら誰もが反対しても借金しても財政出動をし、国民の気持ちを高揚することが一番のデフレ不況の克服と思ってる。国民の気持ちが沈む事がデフレを助長する一因とも思ってる。卑しくも政府の要人からデフレのデと言う言葉さえ発してはならないと私は思っている。そう思う事がデフレに陥る最大の要因とさえ思っている。この政府を預る大臣達は本当に国民の生活を守る意識があるのか、本当に疑わしいし情けない気持ちである。
先日の尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件でもそうであるが、相手に対し、相手よりこの人間は、あるいはこの国は尋常にはいかないと思い込ませる様にしておかなければ、以後の交渉、あるいはハッタリや脅しも、有効に作用されない。何でもそうである。やはり「あいつだけは」と言わせる様にしておかなければ、特に外交交渉は腹の探りあいと思われるからだ。それを譲歩してしまえば、後は見る様も無い。それ以後の北方領土へのロシアの対応を見れば明らかであろう。この内閣は外交交渉で一番やってはならない事をやってしまった。これなど外相の辞任はもとより内閣の総辞職か政権交代に値する大事件なのである。
私はこんな実行力の無い政権と内閣始めて見た。早く我々に政権を戻してもらいたいと声高らかに申し上げたい。