小鳩と菅

 劇的な政権交代からすでに10ヶ月、今中間信任の参議院選の真っ只中だ。僅か9ヶ月で首相が代わり、その新任首相が申し送りを無視し、さも信任された如くの政策(消費増税)を掲げこの参議院選を戦おうとしている。私はこんな理不尽な事は見た事も聞いた事も無い。
 思うに、もし、このような政策を掲げるのであるならばまず、政権選択の出来る衆議院を解散し、民意を問うてからするのが国民と永田町の常識である。
 そもそもこのお方の座れる椅子は誰が造ったのか。自分たちは傍観(釘1本も打ってないと言う事)し、他人の造った椅子にしゃあしゃあと座り得意げにしている。3人(仙谷、枝野、玄葉)の取り巻きもその通りで何も解かっていないと見える。この方々はこの選挙で好きな事を言っていらっしゃるが、唯一気付いていらっしゃらない事がある。それは今の首相の座っている椅子の緊結金具を一本はずされたらどうなるかと言う事である。外に対する主張も大事だが、それはその椅子に座ってるからこそ出来るのである。私は脅迫してるのでは無い。原点を考えてから言えと言う事である。
 鳩山さんは今何を考えているのか。恐らく短命に終わった自分の政権を憔悴を克服し別の意味で追憶してるだろうと私は考えている。宰相を射止めた者としての感慨と不完全燃焼感の間で複雑な気持ちであろう。ましてやこの参議院選で自分を否定されたからなおさらではないかと思う。かと言い復権の気持ちありやと問われれば自らの引退談話が足かせとなりほぼ無いに等しい。
 ここ数日菅首相の言動が変わって来た。最初はフォローの風を読み、消費税論議を持ち出し、そして今度旗色が悪くなると、超党派論議の先行と言い出し、そして又少し持ち直すと、低所得者には還元と言い出し、これでは何をやろうとしてるのかさっぱり解からない。だからこその野党からの党首討論会の呼びかけだったのに、これさえも今の段階では拒否みたいだ。それもその筈この首相、市民運動の出であり、恐らく政策及び財政にはかなり疎いと今まで見れば解かるから、内閣に入ってかなり勉強?したかもしれないが、どだい財務官僚のレクチャーだっただろうに過ぎないから、百戦錬磨のてぐすね野党党首の前には出れないのがおちだろう。そしてまたなれると思ってなかった宰相にすわり、あまりの嬉しさと有頂天に何でも出来ると勘違いの思い付き政策発言だろうと私は思っている。そして今選挙を戦っている取り巻きの連中も思いも思いの選挙戦だ。これでは民主党政権交代前の普通の政党に戻るだけであり、恐らく今党内政敵の小沢が何をしてるかも、知るどころか関心も無いだろう。そのやり方を知ればそんな事もやっているのか、何故そんな事をしなければいけないのかさえ解らず気にも留めない無いであろう。それが彼らの選挙戦であり選挙である。まあ、参議院選が終わって見れば解るだろうが、彼らには一生解らない。
 今参議院選の真っ最中である事は紛れも無い事実であるが、当の小沢は何してると思う?皆さん。彼は今、今後来るであろう衆議院選をやっている事を誰も知らないし、民主党幹部も知らない、今前原の京都に入っている。