▽グループA
【日本建設情報総合センター】独占状況で利益を上げすぎていることや、常勤役員4人の全員が天下りである点が問題に。電子入札システムの運営管理(2010年度予算3億円)には「国の関与を強化した上で、実施機関を競争的に決定しコスト縮減を図る」と判定。一定額以上の公共工事の受注業者に登録を義務付ける「工事・業務実績提供システムからの情報提供」(同6730万円)は「国の関与を見直し。登録料は年度内に見直し」とした。
【建設業技術者センター】監理技術者資格者証の交付(同9億円)については、交付が工事の品質管理に役立っているか疑問として廃止と判定。
【全国建設研修センター】5年に1度行う監理技術者講習事業(同5億円)は効果は薄いなどとし、義務としての講習は廃止と判定した。
【浄化槽設備士センター】浄化槽設備士試験・講習(同7640万円)を実施しているが、常勤職員が天下りの2人、試験や講習は他の財団法人に委託している実態に批判が集中。浄化槽法に基づく試験や講習を行う機関としての指定を年度内に見直し、手数料などを引き下げるよう求めた。
【海外運輸協力協会】民間団体が行う調査・人材派遣の支援事業に助成する政府開発援助(ODA)経済協力事業費補助金(同3360万円)を「廃止」と判定。ODA全体の戦略の中で年度内に見直すとした。
【リバーフロント整備センター、ダム水源地環境整備センター】国土交通省の「河川水辺の国勢調査」(09年度予算28億円)の取りまとめ業務などを受託。仕分け人は、実施機関を競争的に決定して縮減、環境省での実施も含めて早急に見直すと判定した。
【河川環境管理財団】岐阜県各務原市にある河川関係の広報資料館「水辺共生体験館」の管理運営(10年度予算1440万円)では、天下り役員の高額報酬を維持したままコスト縮減のため開館日を半減させる運営手法に非難が集中し「廃止」と判定。管理はNPOなどに任せるべきだとした。
【雪センター】効率的な冬季路面管理手法など二つの検討業務(09年度予算計3億円)について、国が実施し、外部に委託する場合は実施機関を競争的に決めるよう求め、事業規模も大幅に縮減と判定した。
▽グループB
【日本電気計器検定所】家庭用電気メーターの検定・検査業務を行う「特別民間法人」。経済産業省から権限を付与され、手数料収入で運営している。仕分け人は、検定所による手数料値下げが「民間の参入を阻んでいる」と批判し、「見直し」と判定。値下げの原資となる剰余金を減らして民間からの参入を促す必要があると指摘、利益剰余金を国庫に寄付するよう求めた。
【中央労働災害防止協会】労働者のメンタルヘルス対策などを行う健康づくり対策支援業務は「廃止」。独立行政法人の業務との重複が指摘され、一元化して効率化を進めるべきだと結論づけた。労災防止のため安全衛生情報を提供する業務では、産業用ロボットや防護具を展示する東京と大阪の2施設(あんぜんミュージアム&シアター)について、仕分け人が「ハコものを維持する意義は乏しい」と批判。最終的には業務の「廃止」に。
【日本宝くじ協会、自治総合センター、全国市町村振興協会】宝くじ協会と総合センターは、宝くじ発売元の都道府県と政令指定都市の再委託を受け、宝くじの売り上げの一部281億円で普及宣伝事業を実施。市町村振興協会は宝くじの収益金の一部で市町村振興事業の助成などをする。仕分け人は、派遣を含め常勤15人のセンターが首相官邸に隣接するビルにあり、賃借料は1億8千万円に上ると推定。宝くじの売上金が総務省所管の公益法人など多くの団体に分配されている実態を不透明と批判した。センターと振興協会の役員給与は、約2千万円だった。法人側は、宝くじの売り上げが1兆円規模になったのは宣伝の成果と反論したが、仕分け人は3法人の4事業を廃止と判定。天下りの高額給与や無駄な宣伝広報事業などの問題が解決されるまでは、総務相は宝くじの販売を認めるべきではないとした。
【地域活性化センター】地域づくり助成等支援、東京都千代田区で運営する「ふるさと情報プラザ」などの3事業(10年度予算15億円)について、日本宝くじ協会などの助成金で実施していることや役割を終えたなどとして廃止と判定した。
【地域総合整備財団】地域振興につながる民間事業者への融資をあっせんする「ふるさと融資事業」(同8億円)は、地方公共団体金融機構と業務内容が似ており「時代の流れの中で役割を終えた」として廃止と判定。
【自治体国際化協会】自治体からの分担金などで運営し10年度予算は66億円。海外事務所設置・運営の必要性は十分に理解が得られておらず、JETプログラムで知られる外国青年招致事業は必要性に乏しいと指摘、自治体負担の在り方も含め見直すと判定した。