国土交通省成長戦略会議の報告書案要旨は次の通り。
【航空】大部分の空港では、運営する国や自治体などと、ターミナルビルなど非航空系施設を運営する空港関連企業が別組織。非航空系部門で収益を上げ、着陸料や施設利用料の低廉化を図るビジネスモデルが確立されていない。中期的には(1)空港関連企業と空港との経営一体化(2)民間への経営委託か民営化?を目指す。
2010年度から有識者の検討会を立ち上げ、1年をめどに結論を出す。地方自治体との調整が整い対応が可能な空港は先行的に実施。空港関連企業のほとんどの経営実態は明確になっておらず、地代の値上げを速やかに実施。
1兆3千億円の負債を抱える関西国際空港会社のバランスシート改善には、大阪(伊丹)空港の事業価値などをフル活用。持ち株会社の設立といった方式で2、3年後に両空港の経営統合を先行させ、両空港の事業運営権を一体でアウトソースする手法を検討。大阪空港は将来的に廃港・関空への一元化を検討。
羽田は国内、国際線のハブ(拠点)機能を強化、年間発着回数を13年度中にも昼間40万7千回、深夜早朝4万回に拡大。成田は14年度中にも30万回に広げ、アジア有数のハブ空港にする。
【観光】観光戦略の最大目標は、訪日外国人年間3千万人の早期達成。カジノを含めた総合リゾート開発の可能性については、青少年への悪影響も懸念。外国人に利用を限定するなど、慎重に検討。春の大型連休などの地域別分散を2、3年後に定着させ、観光需要の平準化を図る。
【海洋】6月に国際コンテナ戦略港湾(1、2港)を選定。戦略港湾では、15年を目標にアジア主要港並みのサービスを実現させ、選択される港湾を目指す。
【国際・官民連携】民間の創意工夫を最大限に引き出し、社会資本の新規投資や維持管理が実施される仕組みとなるよう、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)などの制度改善を図る。法制や税制について20年度中に改正案を取りまとめ、関連法案を提出する。