小沢疑惑と建設業者の裏金

 この度の小沢疑惑は小沢一郎幹事長の不起訴で幕が下りたが、ここで建設業者の裏金を考えてみたい。その前に私は現役の建設業者なのですべて全国でそうだとは限らないので、私の近辺の事と承知していただく事を前提として見て頂きたい。
 我々建設業者は元受建設業者(大体はゼネコン) から政治家に口利き及び口利きのお礼と称し裏金を良く頼まれます。元受業者は直接自社の名前が発注者及び税務当局に出るとまずいので、下請け業者を介し相手に渡します。相手の政治家には必ず自社の名前を言ってもらわなければ何にもならないため、くれぐれも下請け業者にクギを刺します。
 ここで問題はその金額です。下請け業者の扱っている金額と比べてみます。つまり、下請け業者の売り上げがどの位で、どれ位の利益を上げているか、それによって金額が決まるし、介する下請け業者も決まります。
 今回の西松建設の場合を見てみましょう。元受業者は西松建設、下請け業者は三重県水谷建設です。裏金は5,000万円で、この金額は売り上げから見て西松建設は約0.01%強、水谷建設は0.16%弱になります。もし今この場合に我が社だったら、大変申し訳ないが相手の政治家の先生と元受業者には悪いが、この裏金渡しません。が表面上は秘書に渡した事にします。何故か、
1. 不況で会社の業績が悪い。
2. 渡さなくても裏金だから誰も表立って強く言えないしわからない。
3. 渡したと言う秘書には悪いが、秘書も裏金だから貰ったと言えない。
4. 以上要するに藪の中です。
私の経験からするとこれはあくまでも推測ですが、西松建設の裏金5,000万円、水谷建設小沢幹事長側に渡していないと思います。福島の佐藤栄佐久知事事件と同じと思います。